『韓満所感』は夏目漱石の随筆である。1909年(明治42年)11月5日と11月6日付けの満洲日日新聞に「韓満所感(上)」「韓満所感(下)」の2回にわたって掲載されたもので、漱石が1909年(明治42年)9月2日から10月14日まで、親友の南満州鉄道総裁中村是公の招きで朝鮮、満州を初めて訪れた時に感じたことを書き記している。 全集には収録されず長らく知られずにいたが、2010年に作家の黒川創により発掘された[1][注釈 1]。 「韓満所感(上)」の記事で、伊藤博文暗殺事件に触れており、「昨夜久し振りに寸閑を偸(ぬす)んで満洲日日へ何か消息を書かうと思ひ立つて、筆を執りながら二三行認め出すと、伊藤公が哈爾浜で狙撃されたと云ふ号外が来た。哈爾浜は余がつい先達て見物(けぶ)に行つた所で、公の狙撃されたと云ふプラツトフオームは、現に一ケ月前(ぜん)に余の靴の裏を押し付けた所だから、希有の兇変と云ふ事