オカーシャによる科学哲学の本を読んで気になった所。因果推論について解説している部分です(強調は引用者による)。 医学では通常,RCTが因果関係を見定めるための標準的方法とされている.いわゆる「根拠にもとづく医療」(EBM)運動の支持者にいたっては,RCTだけが治療法の因果的効果の有無を判定できるとさえ唱えている. オカーシャ[著]、直江・廣瀬[訳]『哲学がわかる 科学哲学 新版』(P36)EBMをよく勉強した人が見れば、そんなわけあるかと感ぜられる文でありましょう。この文は、EBMの支持者であってもそういう人がいる、のような表現ではありません。それが代表的あるいは多数の意見である、と読めるものです。一部が唱えているだけであれば、敢えて運動の支持者などと強調する必要は無いからです。 EBM方面において、臨床的証拠の確実さや推奨の程度について評価する、GRADEシステムなるものがあります。 こ