衆議院選挙を前に、メディアで「裏金」の問題が大きく取り上げられている。しかし、これが日本の政治にとって本当に重大な問題なのだろうか。この問いかけから、今回の裏金問題を見つめ直すことで、日本の政治における本質的な課題を考えてみたい。 今回の「裏金」問題とは 日本語で一般的に使われる「裏金」とは、通常、帳簿に記載されていない不正な金銭や、賄賂を指す。例えば、企業や公共機関が架空の経費を計上したり、記帳せずに金銭を隠したりする行為が含まれる。今回の「裏金問題」の「裏金」とは、自民党の派閥が行っていた政治資金パーティーの収益の一部を、正規の収支報告書に記載せず、議員にキックバックすることで生じた不正資金を指している。この収益の一部は派閥や議員の収支報告書に記載されない形で議員に還流されており、これが問題視されている。確かに、個人議員の視点では、帳簿に記載されていない不正な金銭だから「裏金」なんだろ