■華族と特高警察の関係が興味深い 高校の頃に、男と男同士の恋愛小説みたいなもんを書いてる時に、片割れを「没落華族の息子」としたのだが、華族には人を妖しく魅惑するものがある。しかし現実はそんなもんではないだろう、と華族関連の書籍を読んできた。華族の皆さんはけっこう金持ちである。没落した人もいるが、モトが金持ちなので没落しても、今のうちよりいい暮らしで、やはり身分社会はよくない。 華族は「天皇陛下をお守りする立場」なので、正しく暮らすことを求められてきた。そんな華族の犯罪簿がこちらの本である。犯罪ったって詐欺とかではなく、思想犯的なものが主だ。ここに出てくる「官憲に捕まった華族(やその子女)」は、名門の生まれで、きちんとした教育を受け、それゆえに意識が高く、華族という“特権階級”にいることに苦しむ、という図式である。今も昔もよくあるといえばあるようなことだ。 だから「思想犯として捕まった華族」