アリさんマークの引越社が従業員のミスによって生じた損害を給与から天引きしていたと話題になり、また、これに伴った労働組合(プレカリアートユニオン)の抗議行動に対して、Vシネマ的な対応がさらに話題になっていますが、 さて、同社のその特殊な体質は横に置いて、ここでは一般論として、 従業員は仕事でミスをしたら会社に損害賠償をしなければならいのか?を考えてみようと思います。 損害賠償責任が生じる法的メカニズム労働者が、その労働過程で故意・過失によって使用者や第三者に損害を与えた場合、労働者には損害を賠償する責任はあるのでしょうか?(*1) 実は、この命題は古くからあるのです。 まず、前提として、ごく普通の企業は、労働者がミスした場合は、人事的な措置によって対応し、損害賠償まで行うのは稀です。 人事措置としては、 ・懲戒処分(就業規則に定めが必要) ・人事考課や人事評価で考慮要素とする ・その仕事の担