カロリー制限をしても寿命延長に効果なし――。英科学誌『Nature』でこんな“定説を覆す”研究レポートが掲載されたのは、8月29日のこと。米国国立老化研究所(NIA)の研究チームがアカゲザルに低カロリー食を与える実験をしたところ、高カロリー食をとっていたサルに比べて長生きしなかったというのだ。 もちろん、この発表だけでカロリー制限が生存率に及ぼす影響が明らかになったわけではないが、「粗食」「1日1食」など、厳しい食事制限をすることが長寿の秘訣だと信じ込んできた人たちは面食らったに違いない。 人間総合科学大学人間科学部教授で『介護されたくないなら粗食はやめなさい』(講談社プラスアルファ新書)の著書がある熊谷修氏は、「欠食こそ老化を早める要因」と指摘し、興味深いデータを示してくれた。 「いま日本人の1日あたりの平均摂取カロリーは1800キロカロリー台にまで落ち込んでいます。生活習慣病の恐れがあ