ロストジェネレーションとは、「失われた世代」のことをいう。 バブル崩壊後の「失われた10年」に社会に出た、1972年から82年に生まれた世代のことだ。 07年に出版された『ロストジェネレーション─さまよう2000万人』では「彼ら、彼女らは、日本人がもっとも豊かな時代に生まれたと言ってもいいだろう。だが、高校や大学を卒業して社会に出たとき、戦後最長の経済停滞期にあたったのがこの世代の『不幸』だった」と記されている。 確かに子どもの頃は「未来は明るい」ことを漠然と信じていた。経済成長がこのまま続き、いい成績をとり、いい高校を出て、いい大学を出て、いい会社に就職という神話は唯一絶対といっていいほどの力を持っていた。そのために数の多い団塊ジュニア間の受験戦争は過酷を極めた。「努力をすればしただけ報われる」の言葉には信憑性があったからだ。しかし、それは景気が良かったからこそのものであり、ようやく社会