「私たちは歴史上最も高度な情報技術を手にしているにもかかわらず、理性的な会話を行う能力を失いつつある」 世界的なベストセラーとなった「サピエンス全史」の著者で歴史家のユヴァル・ノア・ハラリ氏が語り出したのは、私たち人間の情報の扱い方への厳しい警告です。 世界各地で起きる戦乱と憎しみの連鎖、SNSによるフェイク情報の拡散、そして急加速するAI開発。ハラリ氏が混沌とした世界を読み解くキーワードとして挙げたのが“情報”です。 独占インタビューからはっとさせられる新たな知見にたどり着きました。 (国際部デスク 豊永博隆) イギリス・ロンドン北部の閑静な高級住宅街ハムステッドにたたずむ趣のある建物。1704年に邸宅として建てられ、現在は美術館として使われています。 ここでイスラエル出身の歴史家、ユヴァル・ノア・ハラリ氏と6年ぶりに再会、単独インタビューを行いました。 前回インタビューしたのは2018