打ち上げから1カ月余りで損壊し、運用を断念したX線天文衛星「ひとみ」について、宇宙航空研究開発機構(JAXA)は5日、運用を担当していたNECがJAXAに解決金5億円を支払う内容で、東京簡裁で調停が成立したと発表した。 昨年2月に打ち上げられたひとみは、約1カ月後の3月26日に姿勢異常を起こした後、太陽電池パネルが分離するなど機体が大きく損壊。観測継続が不可能になった。その後のJAXAの調査で、運用を担当していたNECが、衛星の姿勢制御指令用データを誤って入力していたことなどが判明。JAXAは今年2月に調停を申し立てていた。 ひとみは日本が中心となり、米欧との協力で開発した天文衛星で、開発費の日本負担分は打ち上げ費用を含め約310億円。解決金の5億円は国庫に返納される。