日経ビジネスは創刊45周年の記念企画として、これまで報道してきた日本企業の改革を改めて分析してみた。歴史的変革の当事者たちが示す革新の条件は、戦略に合わなければ黒字でも事業を入れ替える「決断」と、経営者の生え抜き主義からの「断絶」、そして改革を行うために組織を「横断」的に使うという『「断」の経営』だった。日経ビジネスオンラインでも本誌と連動し、歴史に残る経営改革を振り返り、識者の意見、分析を掲載していく。第1回は、2000年代初めのパナソニックを低迷の危機から救った中村改革と、その後の再度の停滞を捉え直してみた。そこには、今の時代に改革を継続し、企業を持続的成長に導く難しさと突破すべき新たな壁も見える。 (田村賢司) 「中村さんには社長になる前から腹案があったんだろう。前任の森下洋一社長の頃にも色んな改革をしたが、はかばかしい成果が上がらなかった。それで、もう抜本的な改革をと考えていたので