高田直芳 公認会計士 2011/12/1 電機業界が惨憺たる状況であるなか、パナソニックは2009年9月期に289億円の営業黒字に転じた。今回は、某メディアが挙げたパナソニックの業績回復要因について分析し、“回復”の真相に迫りたいと思う。(ダイヤモンド・オンライン記事を転載、初出2010年1月8日) 前回コラム(ソニー、富士通、NEC編)では、経済学理論からのアプローチによって「健全なる赤字決算」の分析を試みた。返す刀でパナソニックと日立(日立製作所)に挑もうとしたのだが、振り下ろす前に、筆者のほうから刀を納めることにした。正面から斬り込んでも、空を斬るばかりと思えたからである。 それにしても、電機業界の惨状には目を覆うばかりだ。どうしてこんな業績になってしまったのであろうか。 かつては「あっかっる~い、なっしょっ、な~る」や「このぉき、なんのき、きになるき」がお茶の間のテレビから溢れ出て