現在、日本は長期好況の中にある。2002年から続く景気拡大は、戦後最長だったいざなぎ景気(1965年~1970年)を抜き、この景気を「いざなみ景気」と命名しようという話も出てきている。 その一方で、日本社会の格差は拡大しているという。統計局の平成16年全国消費実態調査結果を見ると、全世帯間の格差を示すジニ係数は、1979年以降一貫して上昇している。世代別のジニ係数を見ると、明らかに30歳未満の世代でジニ係数が増加しており、若者の間で「勝ち組・負け組」の格差が拡大していることを見て取ることができる。 なぜ若者の格差が増加しているのか。それは、「正社員」として雇用されるか否かによって、収入から待遇、生涯賃金に至るまでの、生活のすべての面で格差が発生するからだ。 バブル崩壊後の不景気の中で、企業は必死になって雇用コストを削減する方策を探った。その中で急成長したのは人材派遣会社だ。派遣の人材