軍事境界線を越えて韓国のチェジン駅に着き、歓迎を受ける北朝鮮からの直通列車(5月17日、ロイター・共同) 「韓国では外交も気分次第なのか」。こんな質問を受けた。前回の「韓国の反米気分」(2007年5月9日付参照)を読んだ人からだ。それに対しては「納得しにくいだろうが、事実そうなのだ」と答えるしかない。 対米FTAでは焼身、「EU」は無関心 ここ一月ほどでも、「情緒が韓国の外交を左右する」具体的事例をいくつか観測できた。まずは対米。4月初めに米国とのFTA交渉に合意した後、韓国政府は直ちにEUとのFTA交渉に入った。興味深いことに「EU」に関しては反対運動は一切起きていない。対米交渉への反対が、実は感情的な反米運動の一環に過ぎなかったことがこれで分かる。 米国との交渉では当初から激しい反対デモが繰り広げられ、火炎瓶が飛び交い、抗議の焼身自殺者まで出た。合意後の今も「批准しない」と宣言し