最初に : 「‘文化’資源としての<炭鉱>展」のみどころについて 1、これまで、東京ではまとまった公開のなかった、筑豊の、酒仙・画仙炭坑絵師として名高い山本作兵衛の作 品を、一挙に 70 点ご紹介いたします。しかも、初期から晩年までの各時期からの制作をまんべんなく選定、 テーマにも意を配し、彼の画業全体を概観できるよう構成いたしました。 2、1964 年に山本作兵衛の作品に出会い、その後の 10 余年間、彼の作品評価のために奔走した戦後日本を 代表する画家・菊畑茂久馬。1970 年現代思潮社美学校の講師となった菊畑茂久馬と学生たち制作「山本 作兵衛画模写壁画」各 200 号全 9 点は、芸術生活社画廊で公開されて以来の東京帰還・公開となります。 3、戦後の炭鉱を主題にした美術作品は、先進的な美術史表現からは見過ごされてきたジャンルと言ってよい でしょう。が、美術作品へのアプローチは、美術