Art and Air──空と飛行機をめぐる、芸術と科学の物語(或は、人間は如何にして大空に憧れ、飛行の精神をもって世界を如何に認識してきたか。) 「空を飛ぶこと」をテーマにした展覧会をやってみたいと思ったのは、2010年に開催した「ロボットと美術──身体×機械のビュアルイメージ」の準備のころ。この展覧会は、「ロボット」をモチーフに20世紀に起こった人間の新しい身体観の変遷を追い、その背後にひそむ社会性や文化的特質を明らかにすることで、現代に生きるわれわれの意識や精神構造のありようを探るという企画であった。 Art and Air展、チラシ 20世紀初頭から現代に至る「時代」を考察するモチーフとしての「ロボット」なのだが、とすれば、1903年にライト兄弟が世界ではじめて有人動力飛行に成功してから劇的に進化した「飛行機」にも20世紀の時代精神が映し出されているのではないかと思ったのがきっかけ