心の病は、サラリーマンの長期病欠の理由で最も多く、その大半がうつ病だ。休職し、回復して職場に戻っても、再発する患者は少なくないという。そこで再発を予防するため、復職前の一定期間、会社員生活を疑似体験する「復職リハビリ」が注目されている。(神宮聖) 都内のIT企業で企画チームのリーダーだった20歳代後半のAさんは、得意先と部下の板挟みで落ち込んだ気分が続き、常時不安感が消えなくなった。やがて朝、起きられなくなり、無断欠勤するようになった。 昨年、東京都港区の診療所、「メディカルケア虎ノ門」(五十嵐良雄院長)を受診し、うつ病と診断された。休職を勧められ、抗うつ剤を服用しながら、自宅で休んでいた。2か月ほどで不安感もほぼ治まり、生活のリズムも改善された。ただ、すぐに職場に戻る自信はなく、同診療所が昨年1月に開設した「復職リハビリ」に申し込んだ。 うつ病の症状には波があり、元気を取り戻したように見