10月7 ノーベル化学賞にR. Heck・鈴木章・根岸英一の3氏 ついに、と言っていいと思いますが、クロスカップリング反応にノーベル賞が出ました。5年前、「そろそろ出るかな」と思ってこちらのページを書いたのですが、これが今ごろになって効いてきて、今日は筆者の元にも晩飯を食べるヒマもないくらいに取材が殺到しました。先ほどラジオでしゃべり、明日もテレビ東京などの取材を受けることになりました。まあちょっとしたバブルというか、嬉しい悲鳴というところでしょうか。 「ノーベル賞は、個人でなく分野に与えられるものだ」という言葉があるそうですが、今回の「パラジウム触媒によるクロスカップリング反応」はまさに本命中の本命、有機化学で出るならここだろう、と思える分野でした。鈴木-宮浦カップリングの解説ページで述べた通り、この反応の用途は医薬・殺菌剤・液晶・有機ELなど多方面に及び、医薬だけを取っても年間数千億円