クイーンズランド大学でのピッチドロップ実験。アスファルトの粘性を計測している。 ピッチドロップ実験(ピッチドロップじっけん、英語: Pitch drop experiment)は、ピッチの流れを観察するために非常に長期にわたって行われる実験である。ピッチとは非常に粘性が高くて固体に見えるような物質を指す総称で、たとえばアスファルトなどはピッチの一種である。室温では、ピッチはとてもゆっくり流れて、数年かけて一滴のしずくを形成する。 実験を始めたトーマス・パーネル ピッチドロップ実験で最も有名とされるのは、オーストラリア、ブリスベンのクイーンズランド大学で、トーマス・パーネル教授(1881年 - 1948年)が1927年に始めた実験である。この実験の目的は、固体のように見える物質が実は非常に粘性の高い流体であることを学生に教えることであった。実験では、熱したピッチを漏斗に注いで落ち着くまで3年