生保レディが被害者らに渡していた手書きの借用証(画像の一部を加工)=被害者弁護団提供 この記事の写真をすべて見る 被害総額約22億円に及んだ生保レディによる巨額金銭詐取事件。世間の注目を集めたこの事件はなぜ起きたのか?「業績を上げた営業職員を極端に優遇する第一生命の土壌にある」。取材を重ねてきた柴田秀並氏が背景を語る。近刊『損保の闇 生保の裏』(朝日新書)から一部を抜粋して解説する。 【写真】投資トラブルで地獄を見たというお笑い芸人はこちら * * * 生命保険業界の販売チャネルは半世紀以上にわたり、現在にいたるまでいわゆる「生保レディ」と呼ばれる営業職員がメインだ。生命保険会社に所属し、同社の商品だけを売る。生命保険協会(生保協)によると、全国に存在する営業職員は2022年度時点で約25万人。そのうち約9割が、生保レディだという。 そんな生保営業の「本丸」で業界を驚かせる事件が表面化した