最高の画質&フレームレートで遊びたい人にとっては福音である
GeForce RTX 5090をゲーム15本で検証、DLSS MFGでRTX 4090を圧倒!!
2025年01月28日 10時00分更新
本稿は「GeForce RTX 5090」(以下、RTX 5090)の性能レビューの後編である。前編では「3DMark」を筆頭に、消費電力やAI・クリエイティブ系アプリのパフォーマンスを中心に解説した。3DMarkではRTX 4090を大きく上回るスコアーを記録したものの、16ピンの補助電源コネクターには瞬間的に650W近く流れるという大食らいっぷりも確認できた。
そこで、今回はゲームにおけるRTX 5090の実力を検証する。果たして前世代最強のRTX 4090を超えることはできるのか? 「DLSS MFG(Multi-Frame Generation:マルチフレーム生成)」はどんな世界を見せてくれるのか? 15本のゲームを通じて、NVIDIAの主張を検証してみたい。
フレームレート測定基準の変更
近年筆者がGPUを検証する場合は、「CapFrameX」と「Pownetics v2」を組み合わせ、フレームレートとその時の消費電力をセットで取得している。Pownetics v2はPCI Express x16スロットを流れる電力も計測できる。しかし、PCI Express 5.0(Gen 5)でリンクさせるとフリーズするため、BIOSでCPUとGPU間のリンクをGen 4仕様に落として検証している。
前編で実施した「3DMark」のスコアーからわかる通り、Gen 4接続にしてもグラフィックパフォーマンスは大きくて2%程度。まったく変化しない場合もあった。よって以降のテストではすべてPCI Express 4.0(Gen 4)接続で実施した。
3DMark:前編の検証結果より引用。PCI Express Gen 5とGen 4の違いで、グラフィックパフォーマンスに大きな変化はなかった。ライザーカードを使用してビデオカードを接続したいなら、組み込んだ時点で忘れずにリンク速度をGen 4に設定しないとWindowsがフリーズする
そして、重要な点がフレームレート計測の基準変更についてだ。インテル「Arc B570」のゲームパフォーマンス検証記事でも触れたが、これまでフレームレートを計測するには、ゲーム内でCPUがGPUに仕事を渡すインターバル、すなわち「MsBetweenPresents」から1フレームの処理時間(フレームタイム)を測定し、そこからフレームレートを逆算するという手法を用いてきた。
しかし、フレーム生成機能で生成したフレームのフレームタイムは、通常のレンダリング時のフレームタイムよりもはるかに短い。そのため、フレームタイムのバラつきから最低フレームレート(筆者の場合、下位1%以下の平均値)やスタッター発生率を計算してしまうと誤差が大きくなる。
そこで、実際の画面更新間隔を基準とする周期(MsBetweenDisplayChange)からフレームタイムを検証しよう、というのがインテルやNVIDIAの主張である。実際にゲームのフレームタイムを計測すると、DLSS FGやDLSS MFG(Arc BシリーズだとXeSS FG)を使用したゲームでは、フレームタイムの出方が明確に変化する。
よって、本稿においてもMsBetweenDisplayChange基準で、すべてのデータを検証している。
1フレームの処理の流れにおいて、従来はCPUがGPUに処理を投げる間隔(MsBetweenPresents)をフレームレート計算の基準にする(PresentMonの当初のやり方)ことが業界標準であったが、これをディスプレーへ出力する寸前の間隔(MsBetweenDisplayChange)に変更すべき。というのがインテルやNVIDIAの主張である。こうすればフレームペーシングの善し悪しもきっちり数値化できるという
MsBetweenPresentsだけを見て、画面表示の滑らかさを判定しようとすると、グレーのラインのように乱高下する妙なグラフができあがる。だが、MsBetweenDisplayChange基準(緑)にすれば、実際にディスプレーに表示されるタイミングに極めて近い評価ができる(ただし、ディスプレーのハードが必要とする処理時間は考慮されていない)
「Cyberpunk 2077」のフレームレートを「FrameView」で計測した時の記録。4KかつDLSS MFGで3フレーム挿入(x4モード)した場合のデータだが、MsBetweenPresentsで見ると17〜19msと長いフレームタイムの後に、0.1〜0.4msで終わるフレームタイムが3つ(これがDLSS MFGで生成されたぶん)入る。しかし、MsBetweenDisplayChangeを見るとフレームペーシングの処理をされた後であるため、粒の揃ったフレームタイムになる。この場合は4〜5msとなる
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