プロジェクトのスケジュールを作ることは、社内での進捗状況の把握やクライアントへの報告などのために欠かせません。またスケジュールは、作成して終わりではありません。プロジェクトの進捗に合わせて日々更新し、実態に基づいた管理運用が必要です。こうしたスケジュールの管理運用は、プロジェクトの全体を把握し管理するディレクターの仕事になります。
スケジュールの作成
スケジュールは、タスクリスト(WBS)に準じて開発工程、機能、タスクごとの項目をもとに策定するのが一般的です。スケジュールの記述には、ガントチャートと呼ばれる方法が多く使われます。縦軸に項目、横軸に日時を取り、開始/終了期日、所要時間などを記載したもので、タスクの順序や進捗状況、計画と実績の差が一目でわかる点がメリットです。
実際にスケジュールを立てるときは、開始日や納品日、クライアントの確認日などを、項目ごとに当てはめ、そこにスタッフとスケジュールを割り当てていきます。
スタッフを割り当てる際は、1日の稼働を規定の業務時間内(通常8時間)に収めるように注意しましょう。予め残業を見込んだスケジュールを作成すると、遅れた場合にリカバリーする余裕がないためです。タスクの量にスケジュールが見合わない場合は、スタッフの人数を増やします。また同時進行する複数のタスクに1人のスタッフを当てる場合には、稼働の合計が規定の業務時間を超えないように注意します。もちろん作成後は、見積りミスなどがないかどうかを、慎重に確認しましょう。
スケジュールの作成には、マイクロソフトのProjectなど専用のソフトやバグ管理システム(BTS)の一機能を使用します。また、日付を入力すると自動でスケジュールが生成できるExcel用のテンプレートがWebで配布されていて、手軽なので初めての導入にはお勧めです。なお、スケジュールのフォーマットは、管理がしやすいので社内で統一したものを使うようにしましょう。
スケジュールの管理(進捗管理)
作成したスケジュールには、各タスクに進捗状態の項目を加えて、作業者の進捗を管理できるようにします。進捗状況は、毎日の打ち合わせや各スタッフからの報告に基づいてパーセンテージで記載します。事前にどこまで完了すると何%かという基準を設けておけば、作業者によるばらつきなどが出ることを避けられます。
工程に遅れが見つかった場合には、リソースの増員や変更、他のタスクの前倒しなどによるリカバリーを速やかに実行しましょう。スケジュールの活用は、プロジェクトチーム内でトラブルへの対応を共有し、以降の進行の精度を上げることにもつながります。
著者:エレクス株式会社
“ソフトウェアにおける真のサービスを提供する”ことを第一の目的とし、情報技術に特化した会社として1993年に設立。システム開発、パッケージソフトウェア開発、Webサイトデザイン構築・運用業務から、最近はスマートフォン・タブレットアプリやARコンテンツ開発を展開。今後は、“CSP(Cloud Solution Provider)”として、クラウドを活用してお客様のニーズに最適なソリューションを提供し、さらなる情報化社会の発展に貢献します。