12月18日、エムオーテックスは、ネットワークセキュリティツール「LanScope Cat6」の最新版「Ver.6.4.0.0」を2009年1月26日に販売すると発表した。今回のバージョンアップでは、アプリケーション自動インストール、デバイス制御・USBシリアル管理、全資産管理など、全23項目の機能強化が行なわれるという。
悩みの種のインストールを自動化
LanScope Cat6 Ver.6.4.0.0の目玉の機能の1つであるアプリケーション自動インストールは、インストーラを自動操作することで、人間が操作することなくインストール作業を実施する機能だ。
テクノ・システム・リサーチが行なった「クライアントPC資産管理市場の競合ベンダー分析」によれば、73%の管理者がファイル配布・インストールに課題を抱えていることがわかったという。
その理由で大きいのが、
- ファイル転送が不安定
- インストールの成功率が低い
- 少しのバージョンアップで、せっかく作成したスクリプトが利用できなくなってしまう
という3点だ。
LanScope Cat6のVer.4.6.0.0では、まずインストールファイルの転送技術として「BITS(Background Intelligent Transfer Service:バックグラウンドインテリジェント転送サービス)」を採用する。これはWindows Updateなどでも採用しているファイル転送の仕組みで、ほかの通信に負担を与えないよう未使用の帯域を利用してファイルを転送する機能を持つ。加えて、通信エラーが生じた場合の再試行、通信再開時には前回の続きからダウンロードを行なうレジューム機能なども用意されている。このため、インストールファイルの転送時にもほかのアプリケーションへの影響は少なく、安定した転送が実現される。
理由の3番目にあるスクリプトは、インストールを自動化するものだが、通常は販売メーカーに作成を依頼する必要がある。作成は有償であり、1~4週間の時間がかかってしまう。さらに、アプリケーションのバージョンアップでインストールの方法が少しでも変わると、せっかく作成したスクリプトが使えなくなってしまうという問題もあった。
そこで、Ver.4.6.0.0では、インストール手順を記録するだけでインストールが自動化できる「完全イメージ方式」を搭載する。インストールするEXEファイルをツールにドラッグ&ドロップし、「記録開始」をクリック。それからインストール作業を行なうと、ボタンのクリックやインストールドライブの指定などの操作が記録される仕組みだ。
アプリケーション自動インストールを活用すれば、販売メーカーなどにスクリプトを作成してもらう必要はなくなる。作成コストの削減だけでなく、アプリケーションのバージョンアップ時にもすばやい対応が可能になるなどメリットは大きいだろう。
(次ページ、「ユーザーアカウントと連携するUSBメモリ制御」に続く)