毎日新聞記者の、コラボネタは報じる価値が低いということでマスコミ各社一致している、SNSは偏っているという旨の発言に触れて思ったこと。
「紙の新聞の余命は15年」との観測記事とあわせて眺めるに、たいへん趣深い。
https://togetter.com/li/2036314
https://news.yahoo.co.jp/byline/kamematsutaro/20230101-00330946
ここからは本当の末期だというわかりやすいメルクマールだ。闘病中と聞いていた知人がガリガリの別人みたいな相貌に変わっていたらいよいよかと思う、そんな感じ。
そもそも緘口令が出ているかのように黙殺したり、年はじめで各社一斉に同工のフォーマットで報じるその一糸乱れぬ斉一ぶりは異様だ。そういうのが当たり前になっていること自体が。
もっとコラボの悪行を報じろよとか暇空氏にも味方してやれよとかいう話ではない。
つまらない私闘にすぎないとかよくあることだとか言うなら、そのつまらないことがかくも多くの人間の関心を集めているということ自体が常には無い変事だろう。取り上げる切り口なんていくらでもあり得る。ネットでいま〇〇が話題だそうです式のお手軽ヤドリギ記事は大好きだったはずだ。
ひたすら「特落ち」を恐れ、また「抜け駆け」はせず、まるでお役所みたいに決めごとで動くジャーナリズム。どうかしてるぜ。という指摘はかつて上杉隆らが行った。その後の体たらくは誰もが知る通りだが。
有限な紙幅にニュースバリューの高い順に取り上げられてるだけで他意はないと言えばもっともらしいが、滑稽なまでに「一糸乱れぬ」動きの言い訳にはなっていない。
そもそも「情報の重大性」と「紙面への取り上げやすさ」は全く別である。
例えば紛争地域のリアルタイムでの実情などは、重大さは最大級であり、一次情報の取得コストも大きい。つまり取り上げやすさは最小。
一方「小学生が田植え体験をしました」みたいないわゆるヒマネタは、誰一人関心はないが業務上極めて扱いやすい「定型文の穴埋めで作れる記事」であり「予め予定が立つニュース」である。重要度ほぼゼロ、取り上げやすさMAX。
お上のプレスリリースと違い、スペースの都合で没にするのも自在。
大都市圏居住者は、あるいは実際には見たことがないかも知れない。地方紙の社会面や地方局の夕方ニュースにおいて、田植え体験や高校生のSDGsの取り組みの模様が永遠に垂れ流されるのを。ニュースバリューとは。
知られた話だが、新聞社は調査報道機関ではない。納品された情報を整理して受け流す、聞こえよく言えばキュレーターである。
形の揃った野菜を出荷するみたいに「いつもの定番ネタ」は業務ルーティンにするっと乗りやすい。
まだ世評・解釈の定まっていない新奇な話、いびつなキュウリははじかれやすい。ニュースバリューとは。
しかしそういう型にはまった本邦マスコミ報道のありかたはひとえに害でしかなかったのかと言えば、そんなこともない。主な利点はスタビリティということにある。おつむの軽い「熱血記者」は悪いやつらにうまく利用されるのが関の山だ。世間は大新聞の腰の重さをむしろ信頼してきた。
そもそも良い報道とは? ジャーナリズムとは本来どうあるべきか? といった問いにみんなが納得する答えはあるか。ジャーナリズムが共有すべき、一番ベーシックな価値とは何か。
「権力を監視すること」とか言ったって国家権力ばかりが権力じゃない。
「事実をありのままに」とか「客観的に、公平公正に」みたいなことは実現不能だ。
実現不能なお題目を掲げることは建前と実態の乖離を常態化させ固定してしまう。
そもそも電波法に縛られるTV局は別として、新聞社に中立の義務はない。
思うにやっぱり「果敢さ」しかねぇんじゃねぇの? なんとか月衣塑子みたいな薄っぺらい熱血妄動に陥らないようバランスを取りつつの。
こんにち新聞が相手にされなくなる一方で、文春のスキャンダリズムが一定の信頼を得ているのを見よ。
政権与党にガツガツ果敢に切り込む新聞があったり、むしろ野党にガンガン行く社があったり、それぞれの角度から検証可能な形で情報を提供する。
それらが合わさりデコボコを埋め合って、民主主義社会のいわば媒質であるところの公論の場ができる。
そもそも、マスコミの存在目的とはその社会に生きる人々の共有する「場」を提供することなのだ。一億人が同じ情報に容易に触れ得るということによって。情報の水の中に個人は油滴のように浮かんでいるのだ。
オールドメディアがネットにお株を奪われたのは、速報性とか取材力とかいうことではなく、その「共通の場を提供する機能」である。つまり本質の部分。
マスメディア全盛の時代にも、それ以外の情報伝達経路、例えば万古よりの「噂話」が命脈を失ないはしなかった。
でも文字通りマスに同時に届けられるという点で、すなわち前述の「場を作る機能」において、新聞TV会社は特権的立ち位置にあった。
今はそういう時代ではない。
それなのに「なんだかんだ言ってもぼくらプロの新聞記者の取材力、信用にはSNSなんかはまだまだ太刀打ちできないでしょ」とふんぞり返る記者様の図。まさに悲喜劇。
王国が滅びようとしてる現実に向き合えない落日のお貴族様の姿だよ。
■追記
「そんなに新聞様に取り上げてほしかったらしかじかの体裁をとれ」というコメントが付いている。
だから暇空のこともっと取り上げて欲しいという話はしてないんだけどな。
「取り上げてやるかどうかの基準はこうだ」と硬直的な決め事を振りかざすのは、換言すれば咀嚼力のなさを自慢するひ弱なお公家さん仕草であり、マスコミの生命力低下のあらわれであると言っている
https://anond.hatelabo.jp/20230107053458 これは新聞にしか目が行ってないけど、社会そのものが終わる。 メディアが日本の権力と共謀しているとき https://www.ucanews.com/news/when-media-is-in-cahoots-with-japan...
新聞からの情報であーだこーだ言ってるだけのはてな民がなんか言ってら
定型文がおかしいと誤報が量産されてしまうよね。 「神奈川県小田原市の会社員山田太郎さんがオートバイを運転中ハンドル操作を誤って電柱に激突」という記事をよく見るけど、 バイ...
東京本社の全国紙の新聞社は、不動産の賃貸収入と広告収入で社員を養い、道楽で新聞を作っていると言われても仕方ないのが現状
正月実家に帰ったので久々に紙の新聞を見た(近隣への生存報告として新聞取り込みが機能するので辞められないのだという)。 読んだというより見た、という感じで、広告だらけだっ...
マスコミは取材した上で無視することにしたんだろ お前はこの社会のことなんか気にしてないでブロガーのnoteに課金してろよ
記者は偉いしVTUBERになったらチャンネル登録十万とかすぐ行くだろ
■AIチャットボットは社会を不可逆的に分断する https://anond.hatelabo.jp/20230121112445 ■新聞の末路 https://anond.hatelabo.jp/20230107053458 ■知的水準で階層分断すればものすごく快適なインターネ...
知的水準だけじゃないと思う。 反社会的気質かどうかじゃないだろうか
元増田はただ単に学歴コンプっぽいからな あとバカとして隔離されてAIとだけ仲良くしたい方の子らしい フツーに考えたら知能の前に、社会情緒的能力が来るよな 増田の言うように...
anond:20230121112445
パソコン通信時代がまさにそれだったのでは?でも5ch 見る限り当時の良さを知ってる人間たちが率先して兼儲けやらニュー速に入り浸って罵詈雑言撒き散らしてるからねえ もうどうしよ...
それなりに知能が要求される学校行ってたけど窃盗とか暴力とか孕ませとかクズ案件ばかりだったから知能だけじゃ絶対に良くならんと思う。 三十年前のネットワーク事情って本当にユ...
矛盾RTA
限られてた、っていうか、PCとネットが高かったんだよね。スマホなかったし。 まずPCが100万円位だったし、レーザープリンターとか100万円超えてた。 回線は高かったので、テレホーダ...
AIチャットボットは社会を不可逆的に分断する https://anond.hatelabo.jp/20230121112445 学歴コンプ&AIに夢見てるいつもの https://anond.hatelabo.jp/20230130192627