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2021-12-23

何者にもならなかった自分

実家で過ごしている。

10年ほど前に離れた実家に戻ると、自然と昔のことを思い出す。新人社員だったとき大学時代、中高時代、それ以前。

中高時代の成績優秀者リスト本棚に残っていて、常連だったあの人は何をやっているのだろう、などと無為に調べてみたりもする。

東大に行って、エイズ治療法の研究者をやっている人なんかもいて、凄いな、今まで頑張ったんだろうな、これから日本のため世界のために頑張ってくれ、などと思う。

比べて自分は何だろう。そこそこの努力と成績で私大文系学部に進み、何とか辻褄を合わせながら通った会社就職し、一度転職した後も変わらず、のらりくらりとそこそこの仕事をしている。

積み重ねて何者かになろうということを放棄してから何年くらい経っただろうか。希望通り、何者にもならず、結婚もせず子供も持たず、海に浮かぶ木片のように漂うように生き、ただ生かされている。

もう気づけば36である。今さら何かしようとも思わないし、仮にこれから何かしようと立志したところで、出来ることはほとんどない。それに抗う気力も体力もない。

一方、かつて場所を共にした人達はどうしているだろう。大抵の人は家族を持ち、中にはなんだか物凄い意義のある仕事をしている(してそう)な人もいる。

自分が辿ってきた意識選択を後悔するでも、自賛するでもなく、じっと反芻している。

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