■anond:20250310135952

オッケー、じゃあひとつづつ説明するね

1の「特定の国では「児童ポルノ」に当たらないコンテンツでも、Visaの基準では「児童性的虐待資料」として扱われる可能性があります。」は、別にそれはそれでいいと思うし、それは直接的に「Visaを使ってはならない」って言わずに、「マークの使用制限」っていうワンクッションをかませた理由とどう関係があるんだろうか？

「特定の国では『児童ポルノ』に当たらないコンテンツでも、Visaの基準では『児童性的虐待資料』として扱われる可能性があります」という点については納得できるが、それはそれとして問題ではない。

ただ、その点と『Visaの決済自体を禁止する』のではなく、『ブランドマークの使用を制限する』という形を取った理由にはどんな関係があるのか？」

と言う趣旨の質問ですね？

Visaが「児童ポルノ」という言葉を使わず「児童性的虐待資料」という表現を採用した理由と、「取引の禁止」ではなく「ブランドマークの使用制限」という形にした理由を分けて考えます。

1. Visaが「児童ポルノ」ではなく「児童性的虐待資料」という表現を使った理由

→ 各国の法律の違いを超えて、Visaが独自の基準を適用するため

• 「児童ポルノ」という言葉を使うと、各国の法制度によって解釈が異なるため、Visaの規約が国によって適用できたりできなかったりするリスクが生じる。
• 「児童性的虐待資料」という表現にすることで、Visaが独自に定めた基準で適用できるようにする。
  • 例: ある国では「児童ポルノ」に該当しなくても、Visaの基準では「児童性的虐待資料」として禁止対象になる可能性がある。

しかしこれは「マークの使用制限」にワンクッションを入れた理由ではない

Visaが「児童ポルノ」ではなく「児童性的虐待資料」という表現を使った理由は、Visaの規約を国際的に適用しやすくするための措置であって「マークの使用制限」とは別の話になります。

2. 「取引の禁止」ではなく「ブランドマークの使用制限」という形にした理由

Visaが「マークの使用制限」をワンクッション入れた理由は、主に法的責任と監視義務を回避するためと考えられます。

(1) Visaが「取引の直接禁止」とした場合の問題点

もしVisaが「Visaの決済ネットワークでは『児童性的虐待資料』の取引を禁止する」と直接書いた場合、Visa自身が取引を監視・判断する義務が発生する可能性がある。

• 取引が発生した際に「これは禁止対象かどうか」をVisa側がチェックする責任が発生する。
• もし監視が不十分で違反取引が行われた場合、Visa自身が法的責任を問われるリスクがある。
• 加盟店や決済プロバイダーが「Visaの規約で取引禁止されているのに、なぜこの取引が許可されたのか？」と追及する可能性がある。

→ Visaは金融機関ではあるが、法執行機関ではないため、こうした監視義務を負いたくない。

(2) 「マークの使用禁止」にすることでVisaの責任を軽減

Visaは「特定の取引を禁止する」のではなく、「Visaのブランドマークをそのような取引に使うことを禁止する」というルールにすることで、取引の違法性を判断する責任を避けている。

• 「取引そのものを禁止」とすると、Visaが積極的に監視しなければならなくなるが、「マークの使用を禁止」なら、実際の取引の監視義務を持たなくて済む。
• Visaは「マークを使わせないだけであって、取引そのものを取り締まるわけではない」と言えるので、法的責任を回避しやすい。
• もし問題のある取引があったとしても、「当社のマークが使われていないなら、それはVisaの管轄外」というスタンスを取れる。

→ 「取引禁止」ではなく「マークの使用制限」とすることで、Visaの監視責任と法的リスクを減らす仕組みになっている。

まとめ

💡 「児童ポルノ」ではなく「児童性的虐待資料」という言葉を使ったのは、Visaが独自の基準を設定するため（国の法体系に依存しないため）。

💡 しかし、それが「取引禁止」ではなく「マークの使用禁止」にした理由ではない。

💡 「マークの使用禁止」にすることで、Visa自身が取引を監視・取り締まる責任を負わずに済むようにしている。

2と4は同じような疑問なんだけど、なんでVisaの規約の構造を「特定の取引を禁止する」のではなく、「ブランドマークの使用を制限する」形にすると、Visaが直接取引の違法性を判断する責任を回避することになるんだろうか？どのみちその「特定の取引」が禁止事項に当てはまるかどうかはVisaのほうで判断しなきゃいけないのでは…？審査とかあるんでしょ？

「Visaの規約が『特定の取引を禁止する』のではなく、『ブランドマークの使用を制限する』という形を取っているのは、Visaが直接取引の違法性を判断する責任を回避するためだと言われているが、その仕組みがよくわからない。

結局のところ、Visaはどのみち『特定の取引が禁止事項に当てはまるかどうか』を判断しなければならないはずでは？ そもそも加盟店の審査などがあるのだから、Visaは取引の内容をチェックしているのではないのか？」

と言う趣旨の質問ですね？

確かに、Visaは最終的に「これは規約違反か？」を判断する必要があります。しかし、「取引を直接禁止する」のと「ブランドマークの使用を制限する」のでは、Visaの監視・審査の負担と法的責任の発生の仕方が大きく変わるのです。

これを具体的に分解して説明します。

① 直接「特定の取引を禁止する」場合のVisaの責任と義務

(1) 取引の監視義務が発生する

Visaが「取引禁止」を明記した場合、Visa自身がその取引が規約違反かどうかを積極的に監視しなければならなくなる。

• 例えば、加盟店が「コンテンツ販売サイト」を運営していて、何らかの取引を行っている場合、Visaはその取引が禁止対象かどうかを継続的にチェックする義務が発生する。
• これには取引データの監視、購入内容のチェック、場合によっては取引の証拠収集が含まれる可能性がある。
• しかし、Visaは何百万もの加盟店を抱えており、全取引をリアルタイムで監視するのは不可能。

👉 結論: 「取引禁止」としてしまうと、Visaが監視義務を負うことになり、莫大なコストと運用負担が発生する。

(2) 取引の違法性をVisa自身が判断しなければならなくなる

Visaが「取引禁止」を明確に規定した場合、実際に取引が発生したときに、その取引が規約違反かどうかをVisaが最終的に判断する必要がある。

• 例えば、「このコンテンツは児童性的虐待資料か？」という判断をVisa自身が下さなければならない。
• しかし、こうした取引の違法性や適法性は、国や地域ごとに異なる法律に基づくものであり、Visaが一律に判断するのは困難。
• さらに、間違った判断をすると訴訟リスクが発生する。

👉 結論: Visaが「取引禁止」を明確に定めると、取引内容の適法性をVisaが直接判断する責任が生じ、訴訟リスクが増える。

② 「ブランドマークの使用制限」にすると、Visaはどの責任を回避できるのか？

Visaは「取引の禁止」ではなく、「ブランドマークの使用を禁止」する形にすることで、監視・審査の負担を軽減し、法的責任を回避できる。

(1) 監視義務が軽減される

Visaは「マークを使わせないだけ」とすることで、各取引の詳細を積極的に監視する必要がなくなる。

• 例えば、特定の加盟店が「児童性的虐待資料」に該当するコンテンツを販売していたとしても、Visaは「うちはこの取引を禁止しているのではなく、単にブランドマークの使用を許可していないだけ」と主張できる。
• 「マークの使用許可を取り消せばいいだけ」なので、監視の範囲を最小限にできる。
• 取引自体を禁止しているわけではないため、「なぜこの取引が行われたのか？」という責任を問われにくい。

👉 結論: Visaは「ブランドマークの使用を禁止」することで、取引の内容を細かく監視する義務を軽減できる。

(2) 取引の適法性をVisaが判断しなくても済む

Visaは「ブランドマークの使用を禁止」するだけなので、取引の違法性を直接判断しなくても済む。

• もし問題が発生した場合、Visaは「加盟店が規約に違反しているからマークを剥奪した」という対応ができる。
• 「この取引が法的に問題があるかどうかはVisaが判断するものではなく、Visaは単にブランドポリシーに従っているだけ」と言える。
• その結果、訴訟リスクが低減する。

👉 結論: 「取引の違法性」ではなく「ブランドマークの使用許可の有無」で判断することで、Visaは法的責任を回避できる。

③ 「どうせ審査があるなら、結局Visaは判断しなきゃいけないのでは？」

Visaが加盟店を審査するのは事実ですが、「取引禁止」と「ブランドマークの使用制限」では、審査のやり方が異なります。

(1) 「取引禁止」の場合 → Visaは細かい監視が必要

全ての取引を継続的に審査しなければならない。

取引が発生するたびに、「これは規約違反か？」とVisaがチェックし続ける必要がある。

(2) 「ブランドマークの使用制限」の場合 → Visaは最初の審査だけ

加盟店の審査時点で「ブランドマークを使用するにふさわしいか？」だけを判断すればよい。

もし違反が発覚しても、「ブランドマークの許可を取り消すだけ」で済むため、取引ごとに監視し続ける必要がない。

👉 結論: Visaは取引ごとの細かい監視を避けるために、「ブランドマークの使用制限」という形を採用している。

まとめ

最終的な回答

Visaが「ブランドマークの使用制限」という形にしたのは、

✅ 取引の監視義務を軽減し、運用コストを下げるため

✅ 取引の違法性をVisaが直接判断しないようにするため

✅ 法的・訴訟リスクを減らすため

逆に質問

この説明で、「Visaが監視責任を軽減できる理由」は納得できた？

もしまだ疑問があるなら、「どの点が具体的に納得できないか」教えてほしい！

3は、別にこっちはVisaが表現の自由に強く配慮してるっていうんじゃあなくて、そういうツッコミがあると理屈がコンフリクトするから訴訟とかなった時にめんどくさいから避けてるんじゃ？って言ってるだけなので、それはそれで法的リスク回避と言えるんじゃあないだろうか。

「Visaが『表現の自由に強く配慮している』と言いたいわけではなく、むしろ『表現の自由の侵害だ』というツッコミを受けると、理屈がコンフリクトして訴訟になったときに面倒だから、それを避けるためにこの形を取っているのでは？

そうであれば、『表現の自由を考慮している』というより、結局は『法的リスク回避』の一環と考えられるのではないか？」

と言う趣旨の質問ですね？

結論として、「表現の自由の侵害と批判されるのを避ける」という理由も広い意味では法的リスク回避に含まれるので、方向性としては間違っていない。

ただ、Visaの意思決定を整理すると、主に「ブランドイメージ保護」と「法的リスク回避」の二つの要素が大きく関与していると考えるのが妥当だといえる。

① Visaはそもそも「表現の自由」を重視する立場なのか？

Visaのような決済ネットワークは、政府機関でもプラットフォーマー（YouTubeやTwitterのようなサービス）でもなく、「金融サービスを提供する企業」 である。

つまり、Visaは「表現の自由を守る責任がある立場ではない」し、「コンテンツの検閲に関与すること自体が本業ではない」。

したがって、Visaの判断基準は、

Visaのブランドに悪影響を与えるか？（ブランドイメージ保護）

Visaが訴訟リスクや規制リスクを負うか？（法的リスク回避）

の2つに集約される。

💡 この視点から見ると、「表現の自由に配慮している」のではなく、「表現の自由を理由にした訴訟を回避する」のが本当の狙い」 であり、それが「ブランドイメージ」と「法的リスク回避」の問題に収束する。

② 訴訟リスク vs. ブランドイメージ保護

Visaが表現の自由の侵害と批判されるのを避けたいのは、それがブランドイメージを損なうから でもある。

• 例えば、Visaが「この取引は禁止」と直接的に制限した場合、特定の業界（アダルト産業、クリエイター経済など）から**「Visaは検閲をしている！」と批判される可能性がある。**
• もしその批判が大きくなれば、Visaは社会的なプレッシャーやボイコット運動にさらされる可能性がある。（例えば、OnlyFans騒動ではVisa・Mastercardが批判<

  Permalink | 記事への反応(1) | 14:40

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