「日本人はよく働く、労働時間が長い」ってイメージがあるけど、それは昭和の日本昔ばなし。90年頃から労働者一人あたりの労働時間は下がりまくってて、今ではOECDの平均以下。遊んでばかりなイメージがあるイタリアやスペインよりも少ない。日本人は単純にがむしゃらさを失ったのかもね.
https://twitter.com/narita_yusuke/status/1821157953552142837
今更知ったのだけど、現代の「頭のいい人」代表とされている成田悠輔がこんなトンデモなことを書いていた。すでに間違いはさんざん指摘されているが、騙されている人も一定数いるので、改めてさらしておく。
労働の社会保障を勉強している、学部2年生以上の人間が必ず参照するのは「長時間労働者(週49時間以上)の比率」であって、学生アルバイトやパート主婦を含む総労働時間の平均などは、「雑すぎて使えない」データとしてほとんど参照しない。
例えば以下のデータでは日本の長時間労働者の比率は2020年で15%で、減少傾向にはあるが、それでもドイツの5.9%、スウェーデンの5.7%の3倍近い水準だ。男性に限ると21.5%で、5人に1人以上は長時間労働者である。総労働時間の平均で「働かなくなった」と主張するのは、学部2年生のレポートでも完全にD評価である。
(参考)https://www.jil.go.jp/kokunai/statistics/databook/2022/06/d2022_T6-03.pdf
そもそも、昭和時代の働き方を知っている人は、ほとんどの人は「今のほうがはるかに忙しい」と答えるはずだ。昔の労働時間はあくまで「会社にいた時間」であって、仕事の密度は今よりも圧倒的にゆるかった。外回りの営業も、疲れたら適当にサボれたが、現在は、10分おきにLINEが飛んでくる。
労働時間を減らせという掛け声は盛んで、実際減ってもいるが、業務量はむしろ増えている。教育や保育の現場などは、要求水準がどんどん高くなって業務量が増える一方である。暇な職業の代表だった大学教員も、校務と書類申請で忙殺されて研究時間が削られている。こんなことは、少し検索すれば膨大な当事者や現場の声が出てくるはずだが、成田は検索すらしていない、つまり労働問題にほとんど全く興味がないということなのだろう。
物議をかもした「集団自決」はまだ過激なレトリックということで擁護可能な部分がほんの少しだけあったが、この認識はあまりにひどすぎて擁護できる部分がない。
成田は経済学で業績あるのかどうかは知らないが、労働や社会保障については、無知と不勉強の人間であることが明らかになった。「経済学を勉強していれば、労働問題や社会保障など勉強する価値がない」という開き直りは、主流派経済学者全般に多少なりとも見られる悪癖だが、成田はその中でも最も典型的なそれだった。
6時間くらいパチスロしてても労働時間だもんなぁ
でも労働時間減ってるの事実だから「日本人が働かなくなった」は真ですよね?
テレワークでどこでも仕事しなきゃいけなくなったしね テレワーク禁止してくれたほうが働きやすい
テレワークがあるせいでコロナやインフルの解熱後2日間の自宅待機が2日間の在宅勤務に変わった
長時間労働の話については山本勳・黒田祥子の本あるいは諸ペーパーくらいの知識は持っていて欲しいところだよな。 なお成田氏の経済学者としての業績は同年代±10歳の日本人の中で...
判子がなくなったせいで判子係の暇な時間も消えちゃったよ 昔は判子の日付を合わせるだけの仕事が合ったのに
鉛筆削ったり、お茶入れるだけでまともな月収貰えてたからなぁ