総合力生かしサービス開発
MIフォースは、事業の中核であるコントラクトMR派遣だけではなく、マーケティング、MA(メディカルアフェアーズ)の活動、それら活動を支える人材や育成の課題に応える総合ソリューションサービスの提供に向け、取り組みを本格化している。そこで従来の人材を核とする同社と、医師向けコミュニケーションを中心として事業展開する親会社のメドビアの強みを融合することでグループの総合力を生かした独自色あるサービス開発を進める方針だ。
同社が提供するサービスカテゴリーは▽セールス&マーケティング▽メディカルアフェアーズ▽トレーニング▽コンプライアンスや販売情報提供ガイドラインに沿った資材審査や研修――の四つ。
オーファンなどスペシャリティ薬が市場の中心になるなどの事業環境、ニーズの多様化に合わせ、サービスの幅を広げていくことにした。市場分析をはじめ製品戦略立案、販売戦略立案、販売計画、流通の支援と実行を効果的に行えるサービスの開発、拡充を図る。
取締役の寺田寿代事業開発本部長は、「単なる人材派遣だけではなく、顧客層も医療機器などにも対象を広げ、われわれだからできるサービスを常に考えていく。メドピアグループであるところに新サービスを作れる土壌がある」と語る。
その一つがマーケティング支援だ。自社だけの調査に加え、メドピアと強みを融合することで、市場調査・分析がより深みを増すことが可能になると見ている。問い合わせも多く、専門人材を増やし拡大を進めている。
営業面でも、デジタルによるターゲット顧客のカバー率を高める一方で、最後のクロージングはリアルMRが行うことが効果的だと見て、デジタルと人を融合したサービスを提案する用意もある。なお、eRep(リモートMR)支援もこれまで蓄積してきたノウハウを生かし成果創出を視野に入れたサービスを提供している。
サービスの幅を広げる取り組みと並行して、国内参入を目指す海外スタートアップを対象にフルアウトソーシングサービスの準備も進めている。
また同社は、人材の教育研修支援は得意とするところ。昌原清植社長は、「私は2012年に急性リンパ性白血病になった。その治療経験からMRの役割を考えた時、MRは処方を促すのが役割ではなく、患者さんのより良い治療のためにあるのだと強烈に感じた。ベッドの上で苦しむ患者の悩み、課題をあぶり出し、患者を念頭に先生と話し合いながら提案できるMRが必要。そのような先生と患者のために活動できる知識と現場対応力が必要と考え、実践を重視している」と説明する。
それを具現化した一つが日本臨床腫瘍学会(JASMO)に参加する医師の協力を得て行う「日本ファーマ・オンコロジー試験」。「MRとして最低限知っておいてほしい知識」をコンセプトに医師が作問。企業単位の平均点と個人得点で強み、弱みを知ることに加え、試験後も作問医師の解説動画や実習で学べるのが特徴だ。既に参加MR数は1000人を超えている。
現場課題の対応力強化では、医師がMR、MSLと直接面談し、評価する「LEAD」(論理的&倫理的行動開発プログラム)、医療従事者と治療の現場を学ぶ病院研修も用意している。
今後に向け昌原氏は、同社のバリュー「HOT&COOL」を挙げ「H(オネスティ=誠実)、O(オーナーシップ)、T(トラスト=誠実)、C(チャレンジ)、OO(オンリーワン)、L(レイティスト=常に最新)のバリュー通りに事業を進め、顧客、その向こうにいる患者さんの想いを共有しながら頑張りたい」と抱負を語る。
MIフォース株式会社
https://www.miforce.co.jp/