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チンパンジーは「つれション」ならぬ「つられション」…無防備な行動を一緒にして関係性強化か

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 仲間のおしっこにつられておしっこする? チンパンジーで排尿行動が「伝染」するとした研究成果を京都大がまとめた。社会関係が生理現象に影響していることを示唆するといい、論文が21日、国際科学誌に掲載される。

飼育されているチンパンジー(熊本サンクチュアリ提供)
飼育されているチンパンジー(熊本サンクチュアリ提供)

 京大の山本真也教授(比較認知科学)らは、京大野生動物研究センターの施設「熊本サンクチュアリ」(熊本県宇城市)で、チンパンジー20頭を対象に、約600時間、1328回の排尿行動を観察した。

 チームによると、排尿行為が完全に偶然に行われているとした場合、ある個体が排尿してから60秒以内に別の個体が排尿する確率は0・05%と計算されるが、実際の計測データは0・12%と2倍以上高く、何らかの社会的要因が働いている可能性が示された。

 そこで研究を進めると、個体間の距離が影響していることがわかった。2頭の距離が数十センチ以内、3メートル未満、3メートル以上で比較すると、近ければ近いほど排尿行動が伝染しやすかった。

 また、群れでの社会的地位が低い個体ほど、ほかの個体につられて排尿する傾向が見られた。個体同士の親密さは関係していなかった。

 チームの大学院生、大西絵奈さんは「人間の『つれション』ならぬ『つられション』というべき現象で、集団の維持に役立っている可能性など、様々な理由が考えられる」と話す。

 総合研究大学院大の沓掛展之教授(動物行動学)の話「排尿に関する研究はこれまでになく、興味深い。排尿時は無防備なので本来危ない状態だが、一緒に無防備な行動をすることで関係性を強めているのかもしれない」

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