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「エコーチェンバー」極端思考が仲間内で加速…抜け出した男性「集団はカルト宗教のよう」

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[情報偏食]第4部 混沌もたらす者たち<2>

 ネット空間の問題の一つ「エコーチェンバー」。SNSで自分と似たような関心を持つ人々とつながる結果、同じ考えばかりが目に入り、思考が極端化していく現象だ。

ネット情報の真偽、どう見極める?…「ファクトチェック」学ぶ取り組み広がる

 山梨県のIT業の男性(33)はまさにその渦中にいた。きっかけは昨年12月。ある団体の不正疑惑をX(旧ツイッター)で目にしたことだ。

 「鬼の首を取ったような気持ちだった」。元々、その団体の代表が自分の好きなキャラクターを批判したことに不満を抱いていた。気分が高揚した。

 疑惑を指摘したのは、20万人のフォロワーを持つインフルエンサー。ユーチューブで、小気味よく問題点を列挙していく投稿動画にのめり込んでいった。

 閲覧履歴をもとに「おすすめ」と表示される動画のリストに、団体の活動を問題視するものが増えた。食事中も洗濯をしているときもスマホを手放せない。動画を見ることが生活の一部になった。

 自らSNSで団体を攻撃する投稿を始めるまで、2週間もかからなかった。

 <認知に異常がある><本気で言っているなら、はやく病院へ行くべきだ>

 団体の支援者らを強い言葉で攻めた。すると、あのインフルエンサーの「信奉者」から次々とフォローされた。一体感を覚えた。

 相手も黙っていたわけではない。「こちらがコメントすると、10倍になって返ってくることもあった」。画面の向こうの相手に怒りが募り、反論してくるコメントには低評価を連発した。

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