財産は27万円、22億円の債務負ったまま土地開発公社元職員は死亡…1995年の47億円詐欺事件
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1995年に発覚した群馬県の安中市土地開発公社を巡る巨額詐欺事件で、公社に約22億円の債務を負ったまま死亡した元職員の財産は約27万円だったことが、相続財産清算人の調査で分かった。公社は「元職員に新たな財産が見つかれば請求する」とするが現実的には困難で、未回収のまま終結する見通しとなった。
元職員は2023年1月に死亡。遺族が相続を放棄したため、公社が前橋家裁高崎支部に清算人の選任を申し立てた。残された財産は預貯金など27万4590円と、24年8月に清算人から報告を受けた。
元職員は1990~95年、公社の事業資金を水増しして借り入れる手口で群馬銀行から自分の口座に振り込ませたとして詐欺罪などに問われ、96年に懲役14年の判決を受けて服役した。だまし取った金は時効分を含めて総額約47億6000万円に上る。
公社は、元職員の弁済分や群銀が免除した分を除く約24億5000万円を、毎年2000万円ずつ返済することで群銀と和解。昨年3月末現在の残債は15億5000万円で、完済まで80年弱かかるとみられる。
一方、公社は民事訴訟を起こし、前橋地裁は99年、総額約22億2000万円の支払いを元職員に命じた。元職員は少しずつ返済していたが、死亡時の請求債権額は約22億653万円あった。