中国不動産「碧桂園」赤字1兆円…社債利払いできず、デフォルトなら恒大集団より影響深刻か
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【北京=山下福太郎】中国の不動産開発大手「碧桂園」は10日、2023年1~6月期の最終利益が450億~550億元(約9000億~約1兆1000億円)の赤字になるとの見通しを発表した。景気減速に伴うマンション販売の減少が主因で、中国恒大集団に続き不動産大手の経営危機が表面化した。
碧桂園の22年1~6月期の最終利益は19・1億元の黒字だった。最終赤字転落はこの1年間の不動産市況の悪化が直撃したことを示す。1~7月の販売額は1408億元で、前年同期に比べ35%減、21年同期比では61%減と大きく落ち込んだ。
ロイター通信によると、碧桂園は米ドル建て社債2250万ドルの利払いを8月6日の期日までにできず、資金繰りが大幅に悪化。今後も大規模な社債の償還や利払いが予定され、仮にデフォルト(債務不履行)に陥れば、金融機関や債権者への影響は恒大集団よりも深刻になるとの見方がある。
碧桂園は10日、「様々な負債管理策を検討する」とのコメントを出した。
中国メディアによると、不動産大手「大連万達集団」では上級副社長ら幹部が当局に連行された。巨額の債務を抱える同社の経営再建への影響も懸念され、不動産業界の混乱は今後も拡大する可能性がある。