オーストリアは音楽文化とチロルの大自然、そして『サウンド・オブ・ミュージック』の世界を抱えた人気観光地。さらに中世ヨーロッパで栄華を誇ったハプスブルク家が残した世界遺産や現代美術を辿れば、さらに深度ある旅を叶えることもできます。国土が北海道とほぼ同じ大きさなので、比較的コンパクトに各地を巡れるところもツーリストには魅力的なところ。
今回は元旅行会社スタッフのトラベルjp ナビゲーター 木内つばめが、オーストリアの観光スポットをご紹介します。
13世紀にハプスブルク家が都と定めてからオーストリアの中心地となったウィーン。クリムト、シーレ、ワーグナー、モーツァルト…数々の芸術家が活躍した場所でもあります。観光資源が豊富な街ですが、中でも見どころがぎゅっと詰まっているのが世界遺産にも認定されている「ウィーン歴史地区」です。
歴史地区に足を踏み入れれば、ホーフブルク宮殿、シュテファン大聖堂、老舗のカフェに次々と出会うことができ、当時の繁栄の様子をしっかり伺うことができます。ウィーン発祥のザッハトルテやウィンナーコーヒーで小休止を取りながら、街歩きを楽しみましょう！
＜基本情報＞
住所：Stephansplatz 3, 1010 Wien
アクセス：地下鉄・シュテファンスプラッツ（Stephansplatz）駅より徒歩ですぐ
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ハプスブルグ家の居城「シェーンブルン宮殿」は、ウィーン郊外にあるオーストリアで最も有名な観光地の一つ。優雅な宮殿と背後に広がる美しい庭園は訪れる人を魅了してやみません。
世界文化遺産に登録されている宮殿は、17世紀末に夏の離宮として建てられたのが始まりで、18世紀に女帝マリア・テレジアによって現在の姿に改築されました。宮殿の各所から彼女の天性のセンスをうかがい知ることができます。
＜基本情報＞
住所：Schon-brunner Schlossstr. 47
アクセス：地下鉄・シェーンブルン(Schoenbrunn)駅から徒歩約7分
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毎年11月中旬から始まる「クリスマスイルミネーション＆マーケット」。各地で賑わう風物詩ですが、特にウィーンのクリスマススポット巡りは大人気で、日本からもたくさんのツアーが組まれています。
クリスマスの雰囲気を味わうなら、ウィーン中心地のランドマークであるシュテファン大聖堂周辺へ向かいましょう。大聖堂広場から斜めに延びる目抜き通りのグラーベンには、巨大シャンデリアのようなイルミネーションも輝きます。煌びやかな街は、歩くだけでも気分が華やぎます。
＜基本情報＞
住所：Stephansplatz 1, 1010 Wienなど
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「ヴァッハウ渓谷」は、ウィーンの北西ドナウ川流域の美しいエリアで、世界遺産にも登録されています。ここを訪れるなら、ぜひドナウ川クルーズを利用してみましょう。次々に現れる中世の城や教会、一面に広がる名産のアンズ畑とブドウ畑を、優雅な流れに身を任せながら眺めることができます。
船はクレムスとメルクの間を結びます。クレムスは地域最大の町、そしてメルクは修道院があることで知られます。途中下船するならば、デュルンシュタインが特におすすめ。
＜基本情報＞
アクセス：メルク（Melk）駅から徒歩約15分でクルーズ船乗り場へ。クルーズは約2時間（冬季は運休）。電車でのアクセスも可能
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ヴァッハウ渓谷のハイライトともなるのが、バロック様式の建築物「メルク修道院」。1089年に設立され、世界遺産にも登録されている場所です。
フレスコ画が施されている壮麗な内装の教会、学びある修道院博物館、“皇帝階段”と呼ばれるゴージャスな階段などがあり、見応え抜群の観光スポット。現在もここで修道士たちが生活しており、その暮らしがどのようなものか想像がふくらみます。
＜基本情報＞
住所：Abt-Berthold-Dietmayr-Strasse 1, 3390 Melk, Austria
アクセス：メルク駅から徒歩約10分
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オーストリア第2の都市「グラーツ」。約900年の歴史ある街並みと郊外に構えた城は、“グラーツ市街 歴史地区とエッゲンベルク城”として世界遺産にも認定されています。
美しい街並みを一望でき、なおかつ街のシンボルである時計塔があるのが“シュロスベルクの丘”です。シュロスベルクとは“城山”の意味で、かつてここには難攻不落といわれた城塞がありました。高さ473ｍという恵まれた場所からは、レンガ屋根の家々により赤茶色に染まる旧市街を望むことができます。
＜基本情報＞
アクセス：ウィーン南駅から急行で約2時間半でグラーツ中央駅へ
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オーストリア西部に位置する都市「ザルツブルグ」。大人気映画『サウンド・オブ・ミュージック』の舞台として、また音楽家モーツァルトの出身地としても知られており、オーストリア周遊では外せない観光都市となっています。
ホーエンザルツブルグ城の麓にある旧市街のシンボルとも言える大聖堂は、モーツァルトが洗礼を受け、オルガン奏者を務めた場所としても知られています。音楽を辿る旅には欠かせない名スポットです。
＜基本情報＞
アクセス：ウィーンから飛行機で約50分、鉄道であれば約3時間
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映画『サウンドオブミュージック』にも登場した「ミラベル宮殿」。美しいバロック様式の建物は、17世紀に大司教が愛人と15人の子供たちのために建設したといわれています。
宮殿内部には豪華絢爛な大理石の間、芸術的な“天使の階段”など非日常的な空間がいっぱい。“庭園建築の宝石”とも呼ばれる名園もあり、ペガサスの噴水は、映画で『ドレミの歌』を歌いながら踊るシーンのロケ地として有名です。
＜基本情報＞
住所：Mirabellplatz 4, 5020 Salzburg
アクセス：ザルツブルク中央駅から徒歩約13分
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ザルツブルク南東に、いくつもの湖と2000ｍ級の山々が織りなす景色が広がる一帯があります。“ザルツカンマーグート”と呼ばれ、一年中観光客の絶えない景勝地です。
その中の一つ、「ヴォルフガング湖」は特に美しいと人気を博している場所。映画『サウンド・オブ・ミュージック』の舞台となった登山列車もあり、映画のシーンと重ねながら観光することができます。
＜基本情報＞
住所：Wolfgangsee Abersee, Austria
アクセス：ザルツブルグ中央駅(Salzburg Hauptbahnhof)からバスで約90分
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約3000年前から塩坑として栄えてきた湖畔の小さな町「ハルシュタット」。高原地帯にあり、氷河によって作り上げられた湖が70カ所以上点在しています。2000m級の山々を背後に有した湖岸風景はあまりにも美しく、世界遺産にも登録されています。
ここには湖上にせり出した“世界遺産展望橋”があり、まるで宙に浮いているようなスリルを味わいながら贅沢な景色を堪能することができます。
＜基本情報＞
住所：Seestrasse 99,A-4830 Hallstatt, Austria
アクセス：ザルツブルクから鉄道で約3時間
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アルプス山脈の稜線に縁取られたチロル地方の古都「インスブルック」。パプスブルグ家の皇帝たちに愛されてきた街で、市街地で歴史に触れる観光はもちろん、夏の登山や冬のスキー、パラグライダーなど、自然に身を投じるようなアクティビティを楽しむこともできます。
澄んだ青空と壮麗な山々を間近に感じながら、心地よく体を動かす時間は最高のリフレッシュタイム。観光だけで単調な旅になりそうなら、インスブルックを加えてリゾート気分を味わうのもいいでしょう。
＜基本情報＞
アクセス：ウィーンから飛行機で約1時間、鉄道であれば特急で4時間30分〜5時間
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インスブルックの東、標高1000ｍにある「アルプバッハ」は、“オーストリアで一番美しい村”、そして“ヨーロッパで一番美しい花の村”に選ばれたことのある村です。
どの民家も木造建築で、バルコニーには色彩豊かなお花が咲き乱れ、メルヘンチックな暮らしぶりは見ているだけで華やかな気分にさせてくれます。ハイキングで山頂付近へ赴けば、山の斜面に広がる緑の濃淡の差がはっきりわかり、また違う景色を味わうことができます。近代的な建物と離れた、山のリゾート感がたまりません。
＜基本情報＞
アクセス：インスブルック中央駅から普通列車で約40分、ブリックスレッグ駅へ。そこからバスで約25分
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「センメリング」は、世界初の山岳鉄道が開通したことで有名な場所。約41kmの区間に16の高架橋が架けられ、雄大な山岳風景を楽しみながら鉄道旅を満喫することができます。
夏季にはハイキングやサイクリング、冬季にはスキーやスノーボードなどアウトドアに勤しむことも可能。鉄道とダイナミックな自然が大好物！というツーリストには格好の目的地となるでしょう。
＜基本情報＞
住所：Hohhoshutorase 1, 2680 Semmering, Austria
アクセス：ウィーンから約100km
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ウィーン、グラーツに次ぐオーストリア第3の都市「リンツ」。ドナウ河畔に広がる町で、音楽家たちと縁の深い場所でもあります。モーツァルトが交響曲『リンツ』を、ベートーベンは交響曲『第八番』を作曲したのがこの街です。
ブルックナーが長年オルガニストを務めた旧大聖堂、現在は博物館として公開されているリンツ城、すっきりとしたデザインの中に上品さが漂う州庁舎など、名所も多数。市内交通と観光スポットで利用できる1日券があり、ツーリストにも巡りやすい環境です。
＜基本情報＞
アクセス：ウィーンから飛行機で約45分。またはウィーン西駅から特急列車で約1時間半
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ホッホケーゲル山中にある、世界最大の氷の洞窟「アイスリーゼンヴェルト」。1879年、ザルツブルクの自然科学者アントン・ポセルトにより発見された全長約42kmもある洞窟です。
訪れることができるのは、例年5月1日〜10月31日まで。洞窟の入り口から1kmまでの範囲を見学することができます。全長のわずか一部であるものの、神秘的な氷の空間は一瞬で別世界へと引き込んでくれるような場所。洞窟内で写真撮影が禁止されているので、ぜひご自身の肉眼で確認してみましょう！
＜基本情報＞
住所：Eisriesenwelt 30, 5450 Werfen, Austria
アクセス：ザルツブルクから車で約40分。またはウェルフェン駅からシャトルバスに乗車
チェコやハンガリーと一緒に周遊するプランが多いオーストリア。しかし、潔くオーストリアだけに絞って、集中的に深掘りする旅も心に色濃く残ります。ハプスブルク家をテーマにした海外ドラマやモーツァルトの名曲をおさらいしておくと、観光地を訪れた際の感動もひとしお！ぜひ、準備段階からオーストリア旅行を楽しんでみてくださいね。
2025年1月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
（文：トラベルjp ナビゲーター 木内つばめ）
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(2025/1/29更新)
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