発震時刻
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/03 10:08 UTC 版)
現代のように時計を持たず厳密な時刻を求めない時代では、発震時刻や地震動の継続時間は記憶や感覚に頼る部分が多く、江戸時代以前の日本のような干支で表現した時刻では分解能が低く、2時間程度の不確定性を含むものとなる。不定時法では日の入、日の出の時刻とその前後の薄明により一時の時間も定時法とは異なり、また標準時の概念が存在しなかった時代ゆえに、現代の時刻に換算するには緯度、経度を考慮する必要が生じる。近世以前では1日の境が厳密に定められていたわけではなく、平安時代には丑刻と寅刻の間(3時頃)を1日の境界としていた。 またしばしば、半時、あるいは数刻といった、現代の観測からは信じにくい、1 - 2時間も地震動が継続したような表現が記録にある。これは大地震による恐怖感が誇張的な表現を生んだとする見方もあるが、2011年の東北地方太平洋沖地震でも観測されたように強い揺れが数分間継続した本震発生以降、数十分間強い余震が続発し、直後の余震活動をも含めた時間を表しているとも考えられる。
※この「発震時刻」の解説は、「歴史地震」の解説の一部です。
「発震時刻」を含む「歴史地震」の記事については、「歴史地震」の概要を参照ください。
- 発震時刻のページへのリンク