ガソリンの値上がりが見込まれることから、佐賀県内のガソリンスタンドでは早めの給油などを呼びかけている

19日から政府の補助が縮小され、佐賀県内のガソリンスタンドでもガソリンの値上がりが見込まれる

 ガソリン価格が上昇する見通しだ。政府の補助が19日からと来年1月16日からの2段階で縮小されるためで、レギュラー1リットル当たりの平均小売価格は1カ月ほどの間に12円(税込み)以上、値上がりする見込みだ。駆け込みでの給油も懸念されることから、ガソリンスタンドの関係者は早めの給油を呼びかけている。

 ガソリン代高騰を抑える政府の補助事業は22年1月に始まり、延長が繰り返されてきた。現在は、全国の平均小売価格が175円程度を上回らないように石油元売りに補助金を支給して卸値を抑制している。県内の平均小売価格は12月9日時点で174・9円。14・9円が補助されており、補助がない実際の価格は189・8円になる計算だ。

 このような中、19日からは補助率が縮小されてガソリンスタンドの仕入れ価格は上昇し、販売価格は約6円上がって181円ほどに、1月16日からもさらに約6円上昇して187円程度になりそうだ。県石油商業組合の池永大介理事長は「政府方針に伴うもので、店頭価格に転嫁せざるを得ない」と説明する。

 多久市の70代女性はスーパーまで片道約7キロを運転している。バスの本数は少なく暮らしには車が欠かせない。野菜や肉などが値上がりしている中、「さんざん節約しているけど、ガソリンまで上がると…」と補助の縮小に困惑している。

 価格上昇前の「駆け込み給油」が予想され、車が殺到して対応できないガソリンスタンドが出てくる恐れもある。また、残業時間規制が強化された「2024年問題」はタンクローリーの運転手にも影響しており、需給が逼迫(ひっぱく)した場合にガソリンの供給が遅れることも想定されるという。

 池永理事長は「ガソリンを供給したくてもできないとなると迷惑をかけてしまう。早い段階で満タンにしておいてほしい」と呼びかける。(北島郁男)