戦国時代に龍造寺隆信が北部九州を治めた拠点とされる白石町堤の須古城跡の見学会が16日、城跡や城下であった。町内外から訪れた約80人が、瓦の出土であらためて注目を集める須古城の意味深さを実感した。17日は研究大会も開かれる。
須古城跡では国史跡指定を目指して発掘調査が進んでいる。昨年は戦国大名の居城からはまれな瓦が出土し、城郭や大名の勢力研究に一石を投じている。白石町と北部九州中近世城郭研究会が、調査と研究の現状を紹介しようと企画した。
見学会では町教委の文化財担当者3人が城跡や城下、出土物について説明した。須古城の瓦が鳥栖市の勝尾(かつのお)城の瓦と同じ型で造られていることや、「階段状の石垣は県内にはあまりないが勝尾城にはみられる」などと説明。「瓦はどれぐらいの量出土したのか」「コンテナ25箱分ぐらい」などのやりとりもあった。
小城市から来た大学生の女性(22)は「初めて来たが説明があるとわかりやすくためになる」、地元の男性(83)は「須古城の歴史の深さを感じた」と感心していた。
17日は午前9時から同町総合センターで研究大会があり、研究者5人の講演や「龍造寺隆信の実像に迫る」などのテーマでパネル討議がある。資料代2千円。(小野靖久)