NY商品、原油が続伸 イランの供給減見越し買い 金は反発
【NQNニューヨーク=古江敦子】10日のニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)で原油先物相場が続伸した。WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)で期近の6月物は前日比0.22ドル高の1バレル71.36ドルで終えた。未明の時間外取引で71.89ドルと、2014年11月28日以来ほぼ3年5カ月ぶりの高値を更新。米国のイラン核合意離脱を受け、原油供給が細るとみた買いが続いた。
米政府は8日にイラン核合意から離脱を表明し、同国への経済制裁は再開まで6カ月間の猶予を設定した。米政府は猶予期間中に石油企業にイランとの段階的な取引解消を求めており、イラン産原油の供給減につながりそうだ。
10日は複数の石油輸出国機構(OPEC)関係者が「イランの供給減少による原油価格の急騰を避ける目的で、産油量を増やすかは急いで決断しない」と述べたと伝わり、需給引き締まりが意識された。経済混乱を背景にベネズエラの産油量が急減していることも買いを誘った。
相場は小幅安で推移する場面もあった。急速な相場上昇を受け、目先の利益を確定する目的の売りが出た。
ガソリンとヒーティングオイルも続伸した。
金先物相場は4営業日ぶりに反発した。ニューヨーク商品取引所(COMEX)で、取引の中心である6月物は前日比9.3ドル高の1トロイオンス1322.3ドルで終えた。外国為替市場でドルが主要通貨に対して下落し、ドルの代替投資先とされる金に買いを誘った。
朝方発表の4月の米消費者物価指数の上昇率が市場予想を下回った。米利上げ観測が後退し、金市場への資金流入が細るとの警戒感が和らいだことも先物買いを促した。
銀とプラチナは続伸した。
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