サイバー空間の規制、考え方に違い 各国担当者が討論
「世界ICTサミット2012」(日本経済新聞社・総務省主催)で12日午後、「サイバー空間における国際ルールの在り方」をテーマに各国の情報通信分野の担当者が討論した。好ましくない情報の流通をどこまで制限するかについて、考え方の違いが浮き彫りになった。
米国務省のスティーブン・ベル参事官は「表現の自由は主権の基礎だ」として、人権を尊重するためにも情報の自由な流通は必要と強調。規制の動きがある国を批判した。
欧州委員会のジェラルド・デ・グラーフ情報社会メディア総局A局長は「規制にオンラインとオフラインの違いはない」と語り、暴力的な表現や名誉毀損にあたる情報にはすでに規制があると指摘。基本的な人権を守るためにもある程度は規制すべきだと述べた。
一方、ハンガリー首相府のレーカ・セメルケーニ主任アドバイザーは「サイバースペースはこの先、非常に大きなインパクトを主権に及ぼす」として、どういうリスクがあるか各国が理解すべきだとの考えを示した。
また、シンガポール情報開発庁のレオン・ケンタイ副長官は、各国の文化や価値観の違いによって望ましい情報の解釈が異なっており「国際的な指標は存在しない」と分析。地域レベルで話し合う場が必要と主張した。