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ガソリン車をEVに改造 山形の中小異業種3社が連携

省電力暖房など寒冷地仕様の開発も

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山形県央を中心とした異業種の中小企業が連携して市販ガソリンエンジン車を電気自動車(EV)に改造する事業を始める。省電力暖房など寒冷地に対応した独自仕様EVの研究開発も目指す。自治体や大手企業、大学の主導ではなく、中小企業が資金や技術、人材、ノウハウを出し合って独自に取り組むのが特徴だ。

プロジェクトを提唱したのは食品関連商社の角田商店(山形県寒河江市、角田裕一社長)。電子部品製造の後藤電子(同、後藤芳英社長)、自動車整備のテクノアート(同、安孫子清文社長)の両社が賛同。3月上旬にも3社共同出資で新会社「EV・YAMAGATA」を設立する。資本金は1000万円で、社長には角田社長が就く。

既に1号車を試作、「EVやまがた」と名付けた。必要な部品類は改造EV関連事業を展開するEVhonda(新潟県長岡市、本田昇社長)から調達した。12ボルトの鉛蓄電池10個を搭載、最高時速は約80キロ。一般家庭の100ボルト電源コンセントで充電でき、充電1回当たり約60キロ走れる。

EVやまがたをデモカーとして活用、県内企業に幅広く参画を呼び掛ける。既存キットを調達して改造するだけでなく、各社の技術を持ち寄って随所に工夫を凝らした「山形モデル」の開発を目指す。EVhondaも技術協力を快諾した。

まず取り組むのが省エネ型暖房シートの開発。EVはヒーターの消費電力がかさむのが難点で、市販EVもヒーターを使うと航続距離が公表値より大きく落ち込む。改造EVは航続距離を確保するためヒーターが使えない例が多いが、「東北のような寒冷地でヒーターなしでは実用的ではない」と判断。効率の高い面状発熱体を座席に埋め込むことで従来品に比べ消費電力半減を目指す。

擬音発生装置の開発も進める。エンジン音のしないEVは「静かすぎて歩行者が気付かず、事故につながる」との懸念があるため、擬音を発生する平面スピーカーをバンパーなどに組み込む。リチウムイオン電池の改良などは難しいが、電気回路や周辺装置の改良によって航続距離延伸など性能向上に取り組む。

角田社長は「山形には自動車関連や電子部品関連企業が多く、EV先進地になるのも夢ではない」と強調。「地域ぐるみで新たな産業の創出につなげたい」としている。

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