ふるさと納税、東京都が離脱 全自治体で唯一、制度に反対
東京都の小池百合子知事は11日、6月に始まる「ふるさと納税」の新たな制度には参加しないと表明した。これまで都に入っていた税収が地方に吸い取られているとして「受益と負担という地方税の原則と大きく違っている」と批判した。全国の地方自治体で、自ら離脱するのは都だけだ。
総務省は10日まで自治体から参加希望の申請を受け付けていたが、都は申請を見送った。
ふるさと納税は好きな自治体に寄付すると、所得税と住んでいる自治体への住民税が減る。同制度をめぐっては寄付集めの高額返礼品が問題となり、6月からは返礼品は寄付額の3割以下に抑える新制度に移行する。現在はすべての自治体が対象だが、新制度は自治体が総務省に申請して指定を受ける必要がある。
6月以降は都に寄付してもふるさと納税として扱われず、同制度の税制優遇は受けられない。返礼品に力を入れていない都へのふるさと納税は年数件にとどまっており、離脱の影響は限定的だ。都民がほかの自治体に寄付した際には、これまで通り返礼品や税制優遇を受けることができる。
総務省は申請を受けた自治体の昨年11月以降の返礼品を調べ、問題ないと判断した自治体を5月に指定する。都内のすべての市区町村が申請したほか、高額返礼品が問題となった大阪府泉佐野市なども申請した。