携帯大手3社 SMS進化 長文・動画でLINE対抗
「+メッセージ」開始
NTTドコモ、KDDI(au)、ソフトバンクの携帯大手3社は10日、長文テキストや動画に対応した新たなメッセージサービス「+メッセージ」を共同で開始すると発表した。現行のショートメッセージサービス(SMS)を進化させた。LINEなどネット企業が先行するメッセージサービスの分野で巻き返しを図る。
5月9日に3社一斉にサービスを開始する。移動通信の業界団体「GSMアソシエーション」が策定したメッセージサービス仕様「RCS」を採用。文字数を気にすることなくメッセージを送れたり、写真や動画を送受信したりできる。これまでのSMSは送受信できる文字数が限られており、使い勝手が悪かった。
アカウントの登録などは不要。「SMSと同様に、電話番号が分かれば誰にでもメッセージを送れる」(NTTドコモの藤間良樹担当部長)。利用にはパケット通信料がかかるが、SMSのように1通当たりの利用料が発生することはない。
大手3社が共同でサービスを始める背景について、ソフトバンクの千葉芳紀部長は「これまでも3社で絵文字を共通化するなど、サービスの利便性を高める取り組みを進めてきた。国際標準仕様としてRCSの仕様が固まってきたことから、3社歩調を合わせて導入を進めた」と語る。RCSは現在、世界39カ国、50の携帯電話事業者で導入が進められているという。
+メッセージの画面や機能はLINEの対話アプリ「LINE」に似ている。NTTドコモの藤間担当部長は「LINE対抗というよりは、携帯電話のメッセージサービスの正常進化。若年層よりも30代より上のビジネスユーザーをターゲットとしていきたい」と語った。