官僚制の劣化を考える(上) 若手官僚、政治から解放を
松井孝治・慶応義塾大学教授
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森友・加計学園、勤労統計不正、金融審議会報告書問題など霞が関の動揺が止まらない。新卒内定者が出そろうこの時期、公務員志望者は今年も大幅に減少しているが、思い起こすのは、筆者が官庁訪問をした37年前である。
愛読書は城山三郎の「官僚たちの夏」。主人公の風越信吾の「おれたちは、国家に雇われている。大臣に雇われているわけじゃないんだ」という強烈な国家意識に影響されてか、当時は「無定量・無際限」の勤務は...