日本バスケットボール協会(JBA)の三屋裕子会長(66)が30日、NBAの八村塁(26=レイカーズ)から協会や男子日本代表のトム・ホーバス監督(57)が批判されていることを受け、都内で一連の問題の表面化後では初めて取材に応じた。

騒動勃発から17日が経過しての対応に「『遅い』と言われるのは分かっていた。本当にすみません」と謝罪。「JBAの会長としてどういう立場で何を言うのかは、私自身も珍しく悩みました」と葛藤を打ち明けた。

八村は11月13日に日本協会の姿勢をビジネス優先とし、代表活動のあり方を批判。日本男子代表のトム・ホーバス監督(57)については「こういうふう(続投)になってしまったのは残念」とし、同23日にも再び苦言を呈していた。

発言が物議を醸す中、同28日には昨季までNBAで6季プレーした渡辺雄太(30=千葉ジェッツ)が自ら報道陣への説明の場を設定。八村と指揮官の“仲裁役”として、事態の収束へ働きかけた。

三屋会長は「これは不祥事なのかと言われれば違う。コンプライアンス違反でもない。八村選手が発言することは、彼の権利」と受け止めてきたが、渡辺の対応から「彼らは集中してバスケットをやりたい」という思いもくみ取った。「私がいつどのように出て行ったらいいのか悩みました。ただ渡辺選手があれだけ覚悟を持って発言してくれた。ここでしっかりと組織としての考え方をお伝えして、彼らに集中してバスケットができる環境をつくってあげられるかが私の責任」と思い至ったという。

今後は協会内に八村ら海外選手の窓口となる担当を新設。21年創設のアスリート委員会の活性化にも着手する。「価値観の違いを埋めるのは簡単ではないが、少なくとも努力はする」と関係修復を目指していく。

【関連記事】八村塁に批判されている協会の三屋会長、ホーバス体制継続明言「方針に最も適している」