自転車トラック種目の世界選手権は16日、コペンハーゲン郊外で開幕し、男子チームスプリントに長迫吉拓(ブリヂストン)太田海也、小原佑太(ともに日本競輪選手会)で臨んだ日本が銅メダルを獲得した。世界選手権のこの種目で日本が表彰台に立つのは初めて。
パリ五輪の自転車で表彰台を逃したトリオが快挙を達成した。小原は「五輪で忘れてきたものを取り返せたのかな」と感慨に浸った。
スタートダッシュを得意とする第1走者の長迫が英国に0秒252遅れた。しかし2走の太田が持ち味の果敢な走りで、一気に逆転。最後は小原がリードを保ってゴールラインを駆け抜けた。太田は「金メダルを目指してきたので悔しい思いもあるが、初めてのメダル。今の自分たちが納得できる走りができた」と相好を崩した。
パリ五輪はスタートのミスが響いて1回戦で敗れ、無念の5位に終わった。今大会はパリ直後ということもあってトップ選手が欠場したチームもあったが、日本は五輪と同じ3人で挑み、チャンスを生かした。
パリでかすんだ世界の頂点がまた見えてきた。太田は「まだ70点ぐらいの走り。100点を出せれば(五輪王者の)オランダを倒せる勢いだと思う」。力強く新たな一歩を踏み出した。