日銀職員も「年収250万円」を体験すればわかる?
例えば、日銀職員の年収を250万円にして、住宅もすべて自前で賃貸ということを体験したらどうでしょうか。
デフレがどのような問題を抱えていて、すぐに対処しなければいけない経済現象であることが、よくわかるでしょう。
年収を下げることが目的ではないので、差額は1年体験で1年後とか、3年体験で3年後とか、後でまとめて支給すればよいと思います。
つまり、日本のデフレで国民に何が起きているのか、経済政策の企画立案者には知ってもらう必要があるということです。
日本のデフレ脱却が遅々として進まないのは、戦前と同様に、経済政策の企画立案者に実感がないのが最大の原因でしょう。大きな金融危機(金融恐慌)の後の需給ギャップの大きさが国民生活にどう影響しているのか、認識しにくいのだと考えます。
マクドナルドは「日本はデフレ」と認識している
話は変わりますが、最近、マクドナルドの朝マックで、エッグマフィンとコーヒーなどのセット(コンビ)が300円から250円に値下げされました。
これは驚きです。消費者にはありがたいことですが、マクドナルドのマーケティング担当者が、まだ日本はデフレであると認識しているということです。
実際、ファミリーマートやナチュラルローソンのイートインで、挽きたてコーヒーとパンで朝食をとる場合は200円台で済みます。
これと競合して、価格の低下圧力(デフレ作用)が働いているということです。
つまり、日本で所得が増えている状態では、マックが値上げしてもそのまま客は気にしないで購入しますが、所得が厳しい場合は、価格に敏感で安い方に流れます。
今回のマックの値下げは、50円幅と大きく、日本のデフレ解消が簡単ではないことを示しています。
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