【再掲】「10月7日」以後の中東(5)ネタニヤフ首相の「バイデン落選運動」と米・イスラエル関係
それと同時に、イスラエルの内政・外交があまりにも米国の内政・外交と直結しているため、ガザ紛争の帰趨に影響を及ぼす要因が、結局のところ「米・イスラエル関係」に集約されてしまうという側面がある。米国の中東での影響力の大きさ、あるいは中東一般というよりは、イスラエルとの政治的関係の深さと、しばしばなりふり構わない肩入れにより、中東問題が「米国問題」あるいは「米・イスラエル関係問題」となってしまう傾向があり、これは今回のガザ紛争で一層あからさまになった。
イスラエル・パレスチナ問題においては、パレスチナ側の事情や、アラブ諸国・中東諸国の動きが、当面は二次的な要因にしかなり得ず、もっぱらイスラエルの内政事情や、イスラエルと米国の内政と外交が綯い交ぜになった骨がらみの関係が、決定的要因となる。
米・イスラエルの二国間関係は、「特別な関係」と呼ばれる数多くの米国の友好国との二国間関係の中でも特殊であり、異様である。両国の政権は強固な二国間関係を表明し続け、実際に政治・経済・軍事・情報に密接な、分かち難い「相互乗り入れ」のような関係を結んでいるが、分かち難いが故に、しばしば相互に内政干渉を行い、摩擦の火花を散らす。
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