2024年10月、国スポ・全障スポの開催にあわせて天皇皇后両陛下をはじめ皇室の方々が続々と佐賀県をご訪問。伝統工芸や文化に触れられる場面も多く、ご来訪の記憶が県民の心に刻まれる特別な1年となった。
即位後初の佐賀ご訪問
天皇皇后両陛下が佐賀を訪問されるのは、皇太子、皇太子妃時代に「全国育樹祭」に出席された2002年以来22年ぶりで、即位後は初めてのご訪問。
この記事の画像(21枚)両陛下が到着されると、そのお姿を一目見ようと沿道には多くの人が詰めかけ、街は歓迎ムードに包まれた。
国スポ開会式に出席された日の夜には、お泊りになったホテルの近くに約3500人が集まり両陛下を提灯で歓迎。
その歓迎に応えようと両陛下も提灯を持ち、手を振られていた。
“佐賀の日本酒”召し上がった陛下
また、両陛下は鹿島市の肥前浜駅に隣接する日本酒バー「HAMA BAR」をご視察。歓迎する地元の子供たちの目線に合わせて言葉を交わされていた。
日本酒づくりは佐賀が誇る文化のひとつ。天皇陛下は、前の晩に“佐賀の日本酒”を召し上がり、その日本酒について酒蔵の関係者の説明に聞き入られていた。
初の地方公務に「緊張しています」
両陛下に続き来県された愛子さま。愛子さまにとって佐賀ご訪問は初めての単独での地方公務。佐賀空港に到着された愛子さまは出迎えに笑顔で応じ「緊張しています」などとあいさつされた。
初めての地方での公務に臨まれる姿をひと目見ようと、沿道では多くの人が出迎え、愛子さまは歓迎の声に車の中から笑顔で手を振って応えられていた。
ご到着のあと佐賀県庁を訪問された愛子さま。「ようこそ佐賀へ」と元気いっぱいに地元の子供たちがお出迎え。
愛子さまは子供たちに目線を合わせ「幼稚園は楽しいですか」などと笑顔で優しく声をかけ言葉を交わされていた。
“愛子さまのお仕事”につながる歴史
そして愛子さまのお仕事と、佐賀県の歴史が重なり合う場面も。
佐賀市の県立佐賀城本丸歴史館では愛子さまの勤務先、日本赤十字社の創設者で佐賀出身の佐野常民を題材とした寸劇をご鑑賞。
「ヨーロッパに視察に行ったときに気付いた、人間を救うのは人間だと」との寸劇のせりふに愛子さまは、「“人間を救うのは人間だ”とキャッチコピーを強調していただいて、嬉しいです。ありがとうございます」と笑顔で感想を述べられていた。
伝統工芸“和紙の手すき”をご体験
また愛子さまは、300年の歴史を誇る伝統工芸「名尾手すき和紙」の工房をご訪問。佐賀市の山あいにある工房は2021年の豪雨災害で被災。このため現在の場所に移転し、伝統の継承に取り組んでいる。
愛子さまは「父が以前すく体験をさせていただいて均一にするのが難しかったそうで」とお話になり、慣れない作業に試行錯誤しながら2枚の和紙を作られた。
佳子さまが有田焼のイヤリング
愛子さまに続いて来県された秋篠宮家の次女、佳子さまはスポーツご観戦のほか、焼き物の産地で有名な有田町をご訪問。
佳子さまは県立九州陶磁文化館を訪問され、この日、有田焼のイヤリングを身につけられていたことも話題に。
佳子さまが身につけられていた有田焼のイヤリングはハンドメイドの“一点もの”で、制作した工房には注文が相次いでいるという。
このほか佳子さまは唐津市の曳山展示場や基山町の障害者施設などをご訪問。佐賀市の県立ろう学校を訪問された際には、手話を交えながら笑顔で交流を深められた。
2024年2月にも有田町の今右衛門窯を訪れられていた佳子さま。これまで3回のご訪問で多くの県民と交流を重ねられ、様々な佐賀の文化に理解を深められた。
11人の皇室の方々がご来訪
秋篠宮ご夫妻など10月の1カ月間で11人の皇室の方々が佐賀をご訪問。
競技のご観戦だけでなく、伝統工芸を体験されるなど佐賀の文化に触れられる場面も多く、三笠宮家の長女、彬子さまは、公務では初めて佐賀県を訪れ、伝統工芸「佐賀錦」の手織りを体験された。
国スポ・全障スポにともない多くの皇室の方々が佐賀を訪問された2024年。
ご来訪の記憶が県民の心に刻まれる特別な1年となった。
(サガテレビ)