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キングコングの逆襲

登録日:2011/06/14 Tue 00:38:14
更新日:2024/12/13 Fri 16:55:44
所要時間:約 5 分で読めます






北極・南海 そして日本―――

怒り狂う世紀の三大怪獣! すごいッ!

息づまる脅威の大決闘!





「キングコングの逆襲」は1967年7月22日に公開された東宝の怪獣映画。
同時上映は『長編怪獣映画 ウルトラマン』。


●目次

【あらすじ】

海底油田を調査する国連の潜水艦エクスプロアー号。司令のネルソンと野村は趣味でモンド島に住んでいるというキングコングの研究をしていた。

その頃、南極では悪の科学者ドクターフーが、ネルソンと野村の研究資料を盗み出して作ったロボットのキングコング、メカニコングを使って核物質エレメントXを掘り出そうとしていた。しかし、失敗してしまい、出資していた某国のエージェントのマダム・ピラニヤに愛想を尽かされかけていた。

エクスプロアー号は事故により偶然モンド島の近くに修理のために停泊する。ネルソンと野村、看護婦のスーザンは修理の間モンド島に上陸する。
ネルソンと野村が奥に行っている間に、スーザンに恐竜ゴロザウルスが襲いかかる。そこへキングコングが現れた。


【概要】

キングコング対ゴジラ」の際に取得したキングコングの使用権は5年であり、使用権のある内にもう一作作ろうという話が浮上した。

その後当初の企画はゴジラへ転用され、本家キングコングへのオマージュと当時放映されていたアニメ版キングコングからドクターフーとロボットのコングを出す形で企画がまとまり、製作された。

本作は「フランケンシュタイン対地底怪獣」から続く日米合作怪獣映画のシリーズであり、前作までと同様アダルトな雰囲気でやや高年齢向けの作風になっている。しかし、恐怖描写はほとんどない娯楽作品に仕上がっている。

また、東宝創立35周年作品の1つであり、円谷英二氏が特技監督を務めた最後の怪獣映画である。

特撮シーンでは、モンド島での正統派な肉弾戦や南極での採掘シーン、また最終決戦が東京タワーからの落とし合いとバラエティに富んでいる。


【登場人物】

◆カール・ネルソン(演:ローズ・リーズン)
国連の潜水艦エクスプロアー号の司令官。野村とは趣味でキングコングの研究をする仲で、ドクターフーとは以前からのライバル関係で面識があった。
生物としてキングコングを研究しつつ、動きの検証用にメカニコングの設計をする等かなり頭が良いようで、渋いスマートなおじ様である。
インファント島で悪逆の限りを尽くしたクラーク・ネルソンとの関係は不明。

◆野村次郎(演:宝田明)
エクスプロアー号の乗組員でネルソンとは同じ研究をする友人である。自衛隊から参加しているようで階級は三佐。
スーザンとは恋仲で、フーに捕まった時は庇いあう姿も見られた。

◆スーザン・ワトソン(演:リンダ・ミラー)
ヒロインその1。エクスプロアー号には看護婦として搭乗、ネルソンと野村の研究に興味を示す。キングコングお約束の仲良くなるヒロインであり、その点をフーに利用される。

◆ドクターフー(演:天本英世)
悪の天才科学者。ライバル関係のネルソン達の研究を横取りしてメカニコングを作る。極悪人だがどこか抜けており、言い訳がましい。
多数の部下を従えており、北極に基地を構えるが、部下もどこか抜けている。

演じるは名優である天本英世。彼が演じたことにより魅力的なキャラクターに仕上がっている。

◆マダム・ピラニヤ(演:浜美枝)
ヒロイン2号。某国のエージェントで、ドクターフーに資金を供給し核兵器の材料となるエレメントXを採掘しようとしていた。
間抜けな失敗を繰り返すフーに愛想は尽き気味であり、フーに捕まったネルソン達を助けたり、無茶な計画を立てるフーに計画の中止を訴えたりした。

演じた浜美枝は「キングコング対ゴジラ」をきっかけに007に出演したばかりであり、多数の衣装が用意され、妖艶な演技を見せた。


【登場怪獣】

※各種スペックは講談社『ゴジラ&東宝特撮OFFICIAL MOOK』vol.035《キングコングの逆襲》より抜粋。

◆キングコング

別名:大怪力怪獣
身長:20メートル
体重:1万トン
演技者:中島春雄

モンド島に住む巨大猿。ゴロザウルスに襲われるスーザンを助け、ゴロザウルスを倒し、大ウミヘビを退ける。その後はドクターフーに捕獲され、催眠術でエレメントXの採掘を手伝わされるが脱走し東京へ上陸する。スーザンになだめられるがメカニコングにスーザンが連れ去られ、助けるために東京タワーで戦う。

本作ではサイズは20mと小型化した。造形はアメリカ側からの要請でオリジナルに近いゴリラ型となり、まぶたが動き表情豊かである。

◆メカニコング

別名:電子怪獣
身長:20メートル
体重:1万5千トン
演技者:関田裕

ネルソンによって書かれた設計図を盗んだドクターフーが作ったロボットのキングコング。曰く「本物よりずっと強い」。作中では2機登場し、1号機はエレメントXの放射線の影響で無線操作が途切れ破棄された。2号機は逃げたコングを追うのに投入され、東京でコングと戦った。

アメリカのビデオクラフト社と日本の東映動画による日米合作アニメ作品『キングコング』に登場する「ロボットコング」が基となっている。当時のポスターでは「メカニ・コング」という表記も用いられている。実写初の怪獣を模したメカ怪獣である。(全体でならゲゲゲの鬼太郎の大海獣が初)走っても腕は振らなかったり、ややぎこちない動きがロボットであることをよくアピールしていた。

メカゴジラは特技監督の中野昭慶によると、プロデューサーの田中友幸が「ゴジラ誕生20周年」のイベントで「昔メカニコングってロボット怪獣があったけど、ゴジラのロボットは作れないかな」とアイディアを出したことから生まれたが知名度はメカゴジラの方が上の為、「メカゴジラの方がメカ二コングにより先に登場した」と思っているファンも多い。

造形 頭部造形は利光貞三、胴体は八木寛寿、八木康栄による。演技者は関田裕。胴体は風呂用マットなどに使われる「ハードスポンジ」で作られている。当初、肩の丸い保護パッドは無かったが、撮影時に取り付けられた。東京タワーのシーンではこれを取り外して撮影している。腕は長・短の二種類用意された。この違いを受けて「メカニコングは二体作られた」とする文献も見られたが、安丸によって現在は否定されている。

眼球には8mm映写機のランプを使用し、点灯が可能。一尺サイズのギニョールモデルも作られ、東京タワーのシーンで使われた。

落下したメカニコングの残骸には、テレビの基板、原子熱戦砲やメーサー車のパーツなどが混じっている。

本作で合成スタッフを務めていた川北紘一お気に入りの怪獣であり、『ゴジラVSモスラ』の原型となった『ゴジラVSギガモス』では米軍が開発したという設定、『ゴジラVSメカゴジラ』ではGフォースメカキングギドラを解析したと言う設定で「ゴジラVSメカニコング」、『ゴジラVSスペースゴジラ』でもメカゴジラ再登場案の他に川北が出したかったらしいが実現していない。
ギガモスの際はメカニコングの権利関係が東宝とRKOとの間で曖昧であったためこれを明確にしようという意図もあったのだが、RKO側から製作した場合トラブルが生じる可能性があるとの回答が出されたためである。


川北はこれらの企画の雪辱を期して『幻星神ジャスティライザー』および『劇場版 超星艦隊セイザーX 戦え!星の戦士たち』でメカニコングをオマージュしたメカ巨獣ブルガリオを登場させている。


河本ひろしの漫画『怪獣王ゴジラ』では後輩のメカゴジラとタッグを組んでゴジラと戦っている。

ゴロザウルス

別名:原始恐竜
身長:35メートル
体重:8千トン
演技者:関田裕

アロサウルスの一種の生き残りであり、モンド島に生息していた。スーザンを襲って、コングと戦う。カンガルーキックや噛み付きで戦うが、敗れて倒れる。最後は倒れながらも噛み付くが、コングに顎を割かれ泡を吹きながら絶命する。

オリジナルのティラノサウルスのオマージュキャラで、コングとの戦いはオリジナルへのオマージュが盛り込んである。東宝怪獣でも特に恐竜に近い造形で、ウロコの質感等は見事である。「怪獣総進撃」にも登場、かなりの活躍をしている。

◆大ウミヘビ

別名:海獣
身長:80メートル
体重:4千トン

モンド島の海中にいた巨大なウミヘビ。スーザンやネルソン達を襲ったためコングと戦った。オリジナルの大蛇のオマージュで、最後はコングに投げつけられて敗れた。1973年のリバイバル上映では登場シーンがカットされている。


【余談】

併映は本作にもドクター・フーの部下の一人として出演した黒部進氏が主演する「ウルトラマン」の再編集版であり、第一次怪獣ブームの頂点の時期の公開だった。

怪獣総進撃」のオーコメによると「キングコングの逆襲」はなかなかヒットしたらしい。


本編には存在しないがスチール写真等ではキングコング、メカニコング、ゴロザウルスが北極で三つ巴の戦いを繰りひろげているものがある。

予告編にはネルソンが記者からの質問に対し「ニューヨークへ連れて帰って、また壊されたらどうするの」と答えるシーンがあるが、これは1933年版『キング・コング』との関連性を示すものではなく、単なる御愛嬌。公開された完成版では「ニューヨークへ連れて来ても、たぶん、もてあましますよ」という台詞になっている。

東宝特撮映画に度々登場する61式戦車のミニチュアだが、本作で初めてエンジン内蔵のラジコン自走型となった。それまでは、自走は出来ても方向転換は出来ず、直接ピアノ線で引いて向きを変えていた。

1973年冬には東宝チャンピオンまつりで短縮版が再上映され、ラストには『ゴジラ対メカゴジラ』の宣伝がなされている。



間抜けなドクターフーの手下は追記・修正よろしくお願いします。

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最終更新:2024年12月13日 16:55