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ジニス(動物戦隊ジュウオウジャー)

登録日:2016/12/13 Tue 21:22:00
更新日:2024/12/12 Thu 10:35:42
所要時間:約 21 分で読めます






初めまして、地球の下等生物諸君。

私が、『デスガリアン』オーナー・ジニスだ。

今日は特別に、諸君を私のゲームに招待しよう



ジニスとは、動物戦隊ジュウオウジャーに登場する敵組織『宇宙の無法者デスガリアン』の首領(オーナー)である。

CV:井上和彦
スーツアクター:神尾直子


【データ】

身長/288cm(ブーストコンティニュー身長/103.7m)
体重/389kg(ブーストコンティニュー体重/1400.4t)
対応機種/サジタリアーク
ジャンル/イエローダイヤモンド


【概要】

命を弄ぶ最低最悪の遊び「ブラッドゲーム」の考案者兼主催者。
鉱物的な質感の白銀の魔人といった外見だが、顔は非常に端整な造りをしており、神々しい雰囲気すら纏っている。
他の部下の数倍近い巨体の持ち主で下半身は台座のような形状であり、アジトの最奥に鎮座した姿は神仏の像を思わせる。

しかしその実態は、「自分を最も楽しませた者が勝者」として部下達にブラッドゲームを競わせ、
自身はサジタリアーク内でゲームを観戦し、ブラッドゲームにより発生する人々の阿鼻叫喚の光景を酒の肴にして愉しんでいる悪趣味極まるド外道。
それも勝利こそすべてという訳でもなく、結果的にプレイヤーが勝とうが負けようが、自分が楽しめさえすれば失態も責めはしないなど、非常に寛容な姿勢を崩さない。

物事を遊びと捉えるタイプの首領としては「作戦が失敗しても憤慨する素振りすら見せず、寛容で懐が深い」という珍しいタイプ。
途中で乱入してきたバングレイに対しては、部下に降ってわずか2話目でいきなり自己都合で辞めると言い出したのに平然と見送っている。
無論これは「ゲームのスパイスとして役立つ」という考えがあるからであるが。


【性格】

常に優雅で穏やかな口調や態度、雰囲気を崩さないが、その本性は自身を最強生物と自称して他の生命を「下等生物」「玩具(オモチャ)と称して見下し、
暇潰しに他の生命を甚振り弄ぶことを娯楽とする冷酷非道・傲岸不遜なサディスト。
その残虐な精神性は、風切大和「俺たちはお前の玩具じゃない!」という怒りに対して


玩具(オモチャ)だよ!諸君のような下等生物に、それ以上の価値など無い。

せいぜい、この私を愉しませたまえ


即答且つ笑い混じりで言い放った自身の台詞にも表れている。
思考も傲慢極まっており、殺戮や侵略行為を「自らを愉しませるゲーム」としか捉えていない。

多くの悪役のような「地球侵略」や「人類への復讐」のような大きな目的があるワケでもなく、「単純に「楽しいから」という理由で破壊と殺戮を行っている。
(スーパー戦隊では『鳥人戦隊ジェットマン』の次元戦団バイラムや『天装戦隊ゴセイジャー』のウォースターような手合いもあるのでこいつが戦隊史上初というわけではないが)。
ブラッドゲームの目的はあくまでジニス自身の快楽のためであり、その結果全宇宙で99もの命ある惑星が滅ぼされている*1
突如地球(とゆーか異世界)の組織の怪人であるシオマネキングが現れた時も驚いたり敵意を見せるどころか逆にブラッドゲームに組み込めないかと思案し、
倒されたシオマネキングを見て「この戦いの続きを見たい」という理由でナリアにコンティニューを命じたり、
映画でドミドルがメーバメダルを盗んだことを知っても彼を咎めず、逆に面白そうにドミドルの暴虐を酒を飲みながら観戦するなど、
自分以外の全ての存在を「ゲームの駒」としか見ておらず
余裕のある態度はそれらを俯瞰している傲りの裏返しに過ぎない。

しかし、その寛容な姿勢も虚栄の仮面であり、奥底には凄まじいコンプレックスを抱えている。
その本質に触れようものならそれが意図してのものかどうかに関係なく苛烈な敵意を以て葬り去る凶暴性を秘めており、それは相手が味方であるデスガリアンの構成員でも同様である。
…というよりも、ジニスは本質的に自分以外の全てを認めていない。

「自らを楽しませるゲームの駒」の領分を超えてしまった者には、表面上は穏やかな態度で接しつつも、
付き合いも長く今まで良好な関係だった幹部であろうと、その者をためらい一つ見せず切り捨てて抹殺する。

結構な飲兵衛で、基本画面に映るといつもワインのような酒を飲んでいる。

基本的にシリアス一辺倒のキャラクターだが、ドロボーズのつまらないブラッドゲームに対し、「疲れるゲームだ…」と呆れる姿を見せるなど冷血非道な男だが人間的な感性が無いというわけではない。
…むしろ人間臭すぎるほどである

またバングレイの狼藉に対して「あんなものは侮辱の内に入らんよ」と大人の対応でサラッと受け流す寛容さを見せた反面、「本当の侮辱というのは…」と小さく呟くなど、過去に何かあったことも仄めかされている。


【戦闘能力】

全ての生物を見下ろす巨大なトールボディを持ち、圧倒的なパワーと恐るべきスピードを兼ね備え、無敵の戦闘力を発揮する。
実力は全くの未知数であったが、終盤にて初めて地球に降り立った際は巨体に似合わない敏捷さで敵の攻撃をかわし、
数発で建物を粉々に出来る威力の電撃を武器として放つなどの戦闘力の高さを見せている。
デスガリアンの構成員達が使用しているメーバメダルは自らの細胞から作られており、その細胞内にはプレイヤーを巨大化させる程のエネルギーを内包している。
その他キューブ状のアイテムで3匹のジュ―マンを人間に融合させたり、メダルを他者に注ぎ込んで洗脳すると言った芸当も可能。

またどんな状況でも冷静に物事を見極め、あたかも先の先まで見透かしているかのような明晰な洞察力の持ち主でもあり、
殺戮兵器ギフトの開発を立案したり、ギフトを改造して強化バージョンを製作するなど技術者としても優れている。

前述の何が起きても決して余裕を崩さず楽しむ姿勢も、どんな事態が起きても最終的に自分が動けば容易く解決できるという自身の力への絶対の自信から来ている。
それは同時に、自身の力以外を信用せず、当てにもしていないという強い不信と孤独の証明でもある。


【劇中での活動】

基本的にサジタリアークから座して動かず、行動と言えば自身の細胞からメーバメダルやコンティニューメダルを生み出すぐらいのもの。
ドアが小さすぎて行き来に苦労するからではない…はず。
テンションが上がると上半身が立ち上がるが、それだけで幹部たちがどよめくレベルで動かない。

普段は酒を飲みながらブラッドゲームを観戦する程度であったが、
第10話ではブラッドゲームに対抗する地球生物に興味を抱き、「からかってやりたくなった」という理由で自分が主催するブラッドゲームを開催した。
しかしその内容は、触れた生物を消滅させるバリアで街を覆ってバリア内に住民諸共ジュウオウジャーを閉じこめ、バリアを縮小させてバリアの解除スイッチを探す事をジュウオウジャーに強いる*2という残虐非道な内容。
おまけにバリアの解除スイッチが殺戮兵器「ギフト」の起動スイッチも兼ねているため、バリア解除の喜びに沸く群衆の目の前でギフトが起動。
ギフトが街を手当たり次第に破壊しまくり人々を蹂躙するという、二段構えで人々を絶望させ苦しめる悪辣なゲームであった。
なおジニスの本来の目的はギフトの起動であるため、ジニスはギフトを起動させるためだけにバリアを展開したことになる。

GMらしくゲームを盛り上げるための試行錯誤も豊富。
16話ではゲームを盛り上げるためにナリアにジューマンの捕獲を命じ、捕らえた3体のジューマンと人間を融合させ、
ブラッドゲーム用エクストラプレイヤーザ・ワールドの創造を行い、ジュウオウジャーを窮地に陥れた。
しかしジュウオウジャー達の活躍によりザ・ワールドはデスガリアンと決別することになり、ジニスの計画は御破算となった。

ちなみに本編ではカットされてしまったが、20話において放映された次回予告内で愛用のワイングラスを握り潰す程の怒りに震えるという珍しくその余裕ぶりに揺らぎが生じる場面も合った。
仮にカットされなければ、ジニスが感情的になって苛ついた初めてかつ終盤以外で唯一のシーンとなっていたかもしれない。
なお離反したザ・ワールドに対しては、「出来損ない」と評しあっさり見限っている。

中盤では巨獣ハンター・バングレイの乱入もありブラッドゲームを一時休止。
新たなゲームのスパイスであるバングレイの行動を眺めるのが主となったが、その真の目的はバングレイ同様キューブホエールの存在であり、
キューブホエールを巡ってバングレイとジュウオウジャーとの三つ巴を展開させた。

しかしキューブホエールが欲しいのかと思いきや、ジュウオウジャーの手に渡り、ギフトカスタムが押され、
キューブホエールがドデカイオーに変形したという状況でも、部下が騒然とする中で「フフ…」と笑ってさえいた。割と真剣に怖い。
ちなみに、せっかく自ら用意したギフトカスタムが破壊されても平然としており、むしろ入手したキューブホエールのデータでどう遊ぼうかウキウキしていた。これ程までにすっきりしない新ロボ登場回も中々無い。もうヤダこの人

新たなジュウオウジャーであるジュウオウバードが現れても尚その余裕は微塵も揺るがず、
「誰がどれだけ抵抗しようが構わないよ。私を愉しませてさえくれればね…」と普段と変わらない態度と感想を見せ、
また自身への復讐を密かに企んでいるクバルについても、彼の思惑を見抜いていながら敢えて無視し、逆にクバルがどう動くか楽しんでいるかのような態度を取って静観している。


しかし、その残虐性と過去にクバルの故郷と一族を滅ぼしたことから、クバルからは恐怖と復讐の対象として見られており、
遂に積年の怨みを込めたクバルの一世一代の反逆に見舞われることとなった……が







私をサジタリアークから引き離せば勝機があると思っていたようだが、残念だったね

楽しいゲームだよクバル

……さあ、続けようじゃないか

自分の命がかかれば、最高の恐怖が味わえるよ


【シン・ジニス】

身長/222cm
体重/200kg

スーツアクター:日下秀昭

ギフトカスタムに搭載されていたデータデバイスに記録したキューブホエールのデータを元に
地球のエネルギーを吸収し、ジニスが地球で活動を可能とすべく変貌と進化を遂げた姿。

元々ジニスはサジタリアークからのエネルギー供給を受けて強さを維持しており、
艦内では無敵を誇るも、サジタリアークから離れると弱体化してしまう弱点を抱えていた。
その弱点を克服することがデータデバイスの役割であった。
新しい遊び道具を作ると見せかけてサラッと自身の弱点を克服するアイテムを創る辺りジニスの狡猾さと高い知能が伺える。

進化後は巨大な姿から一転してスリムな人型に変貌。
動き辛そうな台座のような下半身は翼のように変化し、背中から生えているのが特徴的。
この羽状の部位は自在に収納可能。


戦闘能力(シン・ジニス後)

地球のパワーを得て適応・進化した実力は伊達ではなく、その実力はバングレイの右手の力で具現化したチーム・クバル構成員(ハッテナー、トランパス除く)+アザルドと、ジュウオウジャー*3達の計13人を単騎で相手取り、13人全員を容易く一蹴するという驚異的なもの。
実は1話前にクバルは通常形態ジニスの偽物も作っておりザ・ワールドを一蹴しているが、おそらくこの偽ジニスがいたところで相手にはならなかったであろう
また、
  • 両腕を剣のように変形させての近接戦
  • 剣化させた腕から金色のエネルギーの刃を飛ばす
  • 背中の羽状の部位から金色の小型ミサイルの弾幕を張り地上を爆撃する
など凄まじい戦闘力を保有。その他、コンティニューメダルを介さず、直接エネルギーを送ってプレイヤーを巨大化させるなどの芸当も可能。

体内に宿しているエネルギーは強大で、サジタリアークの矢を介して地球に注ぎ込まれた際は、注ぎ込まれた直後から矢の周囲で大爆発が連続発生し、
最終的に地球崩壊が引き起こされることが明言されている。

背中の羽を使って飛行も出来る他、黒い霧のようなものを発生させて亜空間を形成し、その中を自在に転移することもできる。


【終盤での活動】

シン・ジニスへの変貌と共に今まで穏和な態度の裏で見え隠れしていた残虐性も表面化。
自身への決死の反逆と復讐を目論んだクバルの一連の作戦や決意、憎悪の全てを「楽しいゲーム」と一言で評して嘲笑い、
  • 両腕の剣から放ったエネルギーの刃をわざと命中させず掠めさせる
  • クバルの手勢+ジュウオウジャーを瞬く間に蹂躙する
  • 実体化されたプレイヤーを巨大化させた上に支配下に置き、恐怖に怯えて逃げるクバルを「ほらお前たちのリーダーを迎えに行きなさい」と言い放って巨大プレイヤーに追わせ、巨大プレイヤー達にクバルを攻撃させて甚振る(+クバルが逃げる方向にある街も同時に破壊する)
……と、ブラッドゲームとはこういうものだと言わんばかりにクバルを心身共に嬲り尽くし、クバルの心を恐怖と絶望で完全に圧し折ってしまった。

そもそもジニスは大方の予想通りクバルの叛意を最初から看破していた。
今まで放置していたのも、全てはクバルが自らへの恐怖と憎悪を押し殺し、必死で足掻く姿を眺めて愉しむためのゲームでしかなく、
クバルにとっての「最初で最後のチャンス」は、全てジニスの掌の上の行動でしかなかったのである。
自身に反逆を仕掛けたクバルに対しては、


殺す事は何時でもできる。でも泳がせておけば、どんなゲームを仕掛けてくるか楽しめるじゃないか

さあ、この後どんな恐怖の叫びを聴かせてくれるか……


と、クバルを一切咎める所か処罰する意志さえ見せず、彼が恐怖に狂い錯乱し自身に命乞いをしながら都市を焼き尽くすクバルの様子を見物する有様。
しかも逆にクバル敗北後は「楽しめた」という理由から異例のコンティニューメダル5枚を授けて蘇生させる行動を行い、
クバルが自身の名を叫びながら死亡した際は「“面白かった”よ。クバル…」と嘲笑混じりの賛辞を述べた。
ジニスにとってクバルの存在は眼中に無く、「獅子身中の虫」など微塵も思わず、「ゲームの玩具」であり「余興」でしかなかった模様。
もしクバルが本当にジュウオウジャーを倒していた場合、どのような処遇を与えるつもりだったのかは明かされなかった。
ただしゲーム自体はご満悦だったのか、直後の回において「クバルが脱落したからにはブラッドゲームの勝者は自分」と豪語するアザルドに対し、


フフフフ…、甘いよアザルド

勝利の条件は「私を楽しませる」事

クバルの反逆劇よりも面白いものを見せてくれないと勝者の称号はあげられないな


と釘を刺している。

その後、アザルドが自身の出自に疑問を抱き、彼のボディを構成するキューブとジュウオウキューブが入れ替わっていることを知った際には、
劇中初めて動揺にも似た反応を見せた。
しかしこれも実際の所アザルドの封印が解ける事への期待の表れで、封印が解けた後にはテンションを上げて喜んでいた。
アザルドが本来の力を取り戻し、より一層凶暴に暴れることを待ち望んでいたのである。

ところが、完全復活したアザルドは自身に対しいつも以上に横柄な態度を取り、ダメ押しとばかりに「俺とお前、どっちが地球を狩り尽くすか…対等の勝負だ」と宣言。
どちらが地球の生命を狩り尽くせるか競い合う対等のブラッドゲームの提案まで行うようになる。
その結果……


私と対等の遊び相手など必要ないのだよ。アザルド……


前話での喜び方が嘘の様にこれまで友好的な関係を築いていたアザルドをためらい一つ見せずにあっさり切り捨てたのである。

提案に表向き乗るフリをし、ジュウオウジャーとの交戦を見守る裏で、ナリアに命じて再生時に露出したアザルドのコアに3枚のコンティニューメダルを投入。
強制的にチェーンコンティニューを発動させ、アザルドの意思と記憶を奪い去る形で無理やり巨大化させた
対等な遊び相手はおろか、所詮は玩具に意思も記憶も必要ないということだろうか。
そしてアザルドはジュウオウジャーに滅ぼされ、間接的にジニスが始末したともいうべき最期を迎える。

アザルドの怨みの雄叫びも聞き流し、上記の台詞を吐いて侮蔑していたものの、
自身を著しく失望させるほど傍若無人な性格に変わったのは予想外だったのか、「フン。記憶が戻らなければ、いつまでも私の元で楽しく遊んでいられたものを……」とも語ってはいる。

かくして、地球への来訪時に率いていたチームリーダーは全滅。ご覧の通り、ジャグド以外はジニスが破滅させたも同然だが
「チームリーダーがいなくなった以上、地球でのブラッドゲームは『ドロー』ということで宜しいでしょうか?」
というナリアの質問に対し、


いや、最後に何か大きなゲームを仕掛けて終わろうか…

せっかくだから


と返答。
既にゲームの勝者も敗者もいないため地球でブラッドゲームをやる必要は全く無いにも関わらず、
「ただ最後まで地球生物を甚振り苦しむ様を見たいから」なのか「このまま宇宙に帰るのは勿体ない」的なノリなのか、
地球滅亡を賭けた、自身主催の最後のブラッドゲーム開催を宣言した。



最終決戦


今から地球に私の細胞を注ぎ込む。地球は耐えきれるかな…?

これが私から諸君に贈る最後のゲームだ

では、存分に楽しんでくれたまえ。ゲームスタートだ


地球での最後のブラッドゲームの内容とは、「サジタリアークから発射した矢で自身と地球を直結し、地球に自身の細胞を注入して崩壊させる」というもの。
更に、矢の護衛役として大量の量産型ギフトを投入。地球の命運をかけたタワーディフェンスゲームを仕掛けた。

…しかし、地球とサジタリアークが繋がった状態となったことが仇となる。
ワイルドトウサイドデカキングの奇襲攻撃によってナリアと量産型ギフト部隊が倒され、さらに野生パワー全開で地球と繋がる管を引っ張られてサジタリアークは地球に引きずり落とされ、地面に叩きつけられて撃沈。同時に矢も破壊された。
これには流石のジニスも「何だと!?」とうろたえ、なす術がなかった。
常に手の届かないところで他者を弄んでいた存在が、何かに繋がった途端に足元を掬われるという皮肉な結果となったのだ。
ジニス自身は難を逃れたものの、いよいよジュウオウジャーとの最終決戦の舞台に立たされることとなった。


悪いねぇ、ゲームのクリアはまだお預けだ…!


サジタリアークを墜落をさせられても尚その威容は健在。
更に地球のパワーを取り込むことで肉体を強化していることをジュウオウジャーに知らせるなど傲慢な態度で最終決戦に臨む。

私はキューブホエールのデータを利用し、地球のパワーを取り込む事が出来るのだ。

ジュウオウジャー。この星を舐めるなよ

おまけに意趣返しと言わんばかりにジュウオウジャー達の決め台詞を自分が語り挑発するなど強者の余裕は揺るがない。
その余裕通り、圧倒的な戦闘力でジュウオウジャー6人を容易く圧倒し続け、
更に廃墟の都市を模した亜空間をも生み出す超常的な力を見せ更に絶望を与えようとするジニス。

打開策を探そうと、ジニスの空間に視覚を研ぎ澄ませる大和だったが……


あれは、メーバ…? まさか…

……見たな!?

私の…私だけの秘密…!見てしまったのかァアアアアアアアアアアッ!!!


今までの余裕で超越者然とした態度が一瞬にして崩れ、初めて剥き出しの感情と憤怒を爆発させながら激昂するジニス。
亜空間の戦いの中で偶然大和の超視力が捉え、明らかになったジニスの正体。
それはおびただしい数から成る細胞サイズのメーバの集合体という悍ましい真実。


メーバの集合体…!
アレがジニスの本当の正体だったんだ……


違う!!

あんな醜く!卑しい姿は本当の私ではない!!

私は何よりも美しく!気高く!最強で最上の生物に生まれ変わったのだァッ!!


知能も低い下等生物であるメーバ達がカツオノエボシキングスライムキングクネクネの如く寄り集まった姿こそがジニスの本当の姿。
即ちジニスとは「メーバの群れ」の総称のようなもの。
自身が矮小な下等生物の集合体であることへの嫌悪と劣等感から、最強で最上の生物に生まれ変わることを求め、遺伝子改造手術を繰り返した結果が本編でのジニスの姿であった。
ザワールドの素体として操が選ばれた理由も、己の存在に嫌悪とコンプレックスを抱いているジニスの身勝手な共感と同情というのが真相。

普通の首領ならば例え自身がどんな生まれや境遇であれ、正体に繋がる手掛かりを得られてもはぐらかすなどして正体を知られないようにするもの。
しかし、己の生まれそのものが最大のコンプレックスにして忌むべき過去であり、その過去から目を背けてひた隠しにしていたジニスにとって、
己の過去や正体を僅かでも知られる事自体が彼にとっての逆鱗であり、「相手に己の正体やそれに繋がる手掛かりを僅かでも知られる」という行為そのものが許容できない。
普段の超然とした態度という化けの皮が剥がれた後に残されたのは、力だけが強く姿こそ荘厳だが、心は只管醜いままという劣等感に凝り固まった矮小極まりない真の素顔であった。

自分達の根は同じだったことに気づいて暗くなる操に、境遇やコンプレックスは同じであれ、
他人の痛みを理解し他者を思いやれる操と、他人の痛みを理解せず他者を身勝手に踏み躙るジニスは全く違うと大和とジューマン達は反論する。

しかし、そんな中で乱入したのは、死んでいたかと思われたナリア。
ジニスの境遇と正体を知っても尚ジニスへの崇拝と忠誠は衰えず、主人の辛い過去に『同情』した上で真実を受け入れ、ジニスと共に歩もうと寄り添おうとするナリアであったが、

ジニス様……どうして……!?

私にとって最大の侮辱は……『同情』だ

ジニスはアザルドの時同様ナリアをあっさりと切り捨て、彼女諸共エネルギーの斬撃でジュウオウジャーを攻撃。
ジュウオウジャーは王者の資格とジュウオウザライトを破壊され、強制的に変身解除、変身不能に追い込まれてしまった。
ナリアの死因、それはジニスにとっての最大の侮辱行為である「同情」を語ったこと。

おいジニス…!テメエ、ふざけんなよ!!

お前は…そうやって寄り添ってくれる人も、全部踏みにじってきたんだな!

仲間を手に掛ける行為を直接目の当たりにしたジュウオウジャーも怒りを露にし、その際の大和との会話の中で、これまで自身に寄り添おうと歩み寄ってきた者でも容赦なく手に掛けてきたという狂気の過去も明らかとなった。
他者と分かり合うというプロセスそのものがジニスには不快で耐え難い苦痛であり、そうした形で孤独から救われるという事をそもそも求めていない。
ゆえに他者と接触すれば遅かれ早かれ保身のために相手を破滅させてしまうという最凶最悪の「個人」という絶対悪がジニスの本質なのである。

私の秘密を知る者は、この世で唯独り。私だけだ!

貴様等は、存在してはいかんのだよ!!

さらばだジュウオウジャー!今度生まれ変わるときは、もっと強い生物に生まれてくることだ……ムゥ!?

だが王者の資格が無くとも、全ての繋がりを守りこれからもやりたい事があると宣言し立ち上がる6人。


勝手に人の来世語ってんじゃないわよ!

俺達の世界は、まだ終わってない!

私達、あんたを倒した後で、やる事いっぱいあるの!

異なる種族を繋げたり、歴史を調べ直したり…盛りだくさんだ!

こんなとこで、テメエと遊んでる暇なんか無えんだよ!

王者の資格がなくなっても…絶対守る! みんなが生きる、みんなの星を!!


その決意に地球が応えたのか、地球はジュウオウジャー6人に地球のパワーを与え、地球のパワーを受け王者の資格とジュウオウザライトは再生された。
地球は真にジュウオウジャー6人を認めたのである。
一方ジニスは地球そのものに拒絶されパワー供給を受けられず弱体化していく。


この私を舐めるなよ…!

お前こそ!

この星を舐めるな!!


地球の力を取り込んで強化されたジュウオウジャーに徐々に圧倒されていくも、それでも尚戦闘力の衰えないジニス。
しかし、その時、大和に宿った3つのジュ―マンパワーが集まり、野性大解放を果たす事に成功する。
陸・海・空制覇の野性大解放を発動させた大和に圧され、そして6人の力を合わせたホエールチェンジガンの最大出力ジュウオウファイナルを受け、ジニスは爆散。
力の源であったデータデバイスも破壊され、遂に打倒されたかと思いきや…


私はジニス!この世で最上最高の生物である!!


肉体こそ強化前の状態に戻るも、ジニスは最後の悪足掻きとして己の中の細胞エネルギーを利用してブーストコンティニューを発動し巨大化を果たす。
ワイルドトウサイドデカキングを上回る巨体で戦闘を開始するが、
以前のクバルの見立て通り、サジタリアークからのバックアップを受けられない状態のジニスは地球のパワーを受け強化されたドデカキングのパワーの前に苦戦していく。


ありえん…!こ、この私が…ッ!!

今の私達はジューマンパワーと!

地球のパワーと!

人間のパワーと!

キューブ君たちのパワーと!

熱い熱い友情パワーと!

沢山の力を繋げて戦ってるんだっ!!全てを踏み躙ってきたお前なんかに、負けるはずない!!

ジニス!今度こそ終わりだ!!

ジュウオウドデカグランドファイナルフィニッシュ!!


グ…オオオ……ォォ!

アァアアアアアアアアアアアアアアッ!!!



最後は地球と全ての生き物達の力を繋げ、これまで積み重ねてきた全ての想いを注ぎ込んだ最大の一撃『ジュウオウドデカグランドファイナルフィニッシュ』の直撃を受け、全身を構成するメーバの一片に至るまで焼き尽くされて爆散・消滅した。


自らの生まれと存在を忌み嫌って目を背け、自らに歩み寄り並ばんとする者全てを切り捨て、
己のコンプレックスと劣等感を晴らすだけのためにありとあらゆる生命を見下し踏み躙り続けて宇宙を荒らし回った悪魔は、
自身が利用していた地球から拒絶され、全ての命と繋がりを守らんとする王者達の手で遂に滅び去ったのである。


なお最終回で自身のコンプレックスが暴かれ醜態を晒したジニスであるが、彼への明確な叛意を抱いていたのはクバルぐらいで、
残るメンバーからは態度はどうあれ高い忠誠や仲間意識を抱かれていたのも事実である。*4
ナリアに至っては己の真の姿を見られても特に反抗意識や態度の豹変も見られないなど本物の忠誠を誓っていた。
何だかんだでジニスの周囲の環境は恵まれており、その環境さえ維持できれば強固な組織を作る事も出来ただろうが、
その環境を自分の思い込みと劣等感だけで勝手に壊し、保身を図る姿は哀れとしか言いようがない。


◆スペシャルライブツアー

本編のその後を描いたスペシャルライブツアーではしぶとく生き残っていたことが発覚。
この際
  • 自身の細胞が付着した生物を洗脳する能力
  • 少しでも細胞(メーバ)が残っていればメーバを集め、細胞の宿主の肉体を餌として細胞を増やし復活することが出来る
  • 自身の正体を知った者は記憶を消すか抹殺するという考え
を持っていたことが判明した。
なお案の定というべきか、正体を知られた後はアムやレオに「所詮メーバ」と完全に舐められていたが、
ジニスの細胞は取り付いた生物の肉体を餌として喰らって癌細胞の如く増殖し、最終的に宿主の細胞をジニスの細胞に置換する形で復活する習性を持つことを知った際は流石のアムもレオも戦慄していた。

作中では自身の細胞の力でナリアを復活させると同時にバドの肉体に付着していた細胞の力でバドを洗脳。
生き残っていたメーバをナリアに集めさせて完全復活を目論み、同時に自身の正体を知るジュウオウジャー達の抹殺を目論んだ。

しかし、タスクの罠に嵌ってバドの肉体をブラシと水で掃除してジニスの細胞を洗い落とすというギャグみたいな作戦の餌食になるが、この滑稽な姿は罠。
洗い流されたジニスの細胞からジャグド、クバル、アザルドが復活を果たす。
更にバドの細胞を喰らい尽くして自身の細胞を増やし完全復活を遂げんとする野望を暴露するが、負けじとばかりにジュウオウジャーや観客の声援を受けた結果バドの意識がジニスの洗脳を突破。
ジュウオウジャー6人が結集した結果再生されたチームリーダーは押されるも、裏でナリアに回収させていたメーバを用いてシン・ジニスの姿で完全復活を果たした。


私が真に欲する餌は、この星そのもの…!

地球の全てを私の中に取り込み、以前よりもっと素晴らしい最上の生物に進化するのだ!!


バドの存在を囮にする形で復活を果たした後は用済みとばかりにバドを一蹴。
真の野望を暴露したジニスは、復活を果たした段階で地球はジニスの細胞に包まれているという衝撃の事実を暴露。
これにより地球のパワーは全てジニスに奪われ、ジュウオウジャーは変身を封じられる羽目になってしまう。
だが最後まで諦めないジュウオウジャーたちの奮闘と、ジニスの圧に負けない会場の観客の声援に地球が呼応。
地球の人々の感情の力はケタスの姿を形作り、更にジュウオウジャーに分け与えられ再び変身を可能にした。
湧き上がる地球のパワーを受け取ったジュウオウジャー(と乱入したキュウレンジャー)の前に復活したナリアとチームリーダー達は全滅。
余裕を失い只管飢える獣のように地球のパワーを吸い続けながらジュウオウジャーを蹴散らすジニスだったが、


下等生物の分際でェ…!!この私を舐めるなよォッ!!


だがなおも諦めないジュウオウイーグルの闘志に地球が呼応したのか、ジュウオウイーグルが3人に分裂。
ジュウオウイーグル、ジュウオウゴリラ、ジュウオウホエールの3人の連続攻撃を受けたことで押され始め、再び発動したジュウオウイーグルの野性大解放の前に遂に逆転。
6人の力を合わせたジュウオウファイナルの直撃を受けて細胞の全てを残らず焼き尽くされ、ジニスは本当の意味で終わりを迎えた。

この私が…二度までも…!?

私こそが…最強で…最上の…!グアアアアアアアアアアッ!!



【余談】

名前の由来は「天頂(zenith)」。
天文学の概念で、天球上において観測者の真上に当たる点を指す言葉である。


無機物モチーフはイエローダイヤモンド。
イエローダイヤモンドのパワーストーンとしての効果は
  • 王のような風格を放ちたい
  • 神々しい輝き・存在感を放ちたい
  • 今の自分を完璧だと知りたい
  • 無傷無敗でありたい
  • 悠々堂々としていたい
  • 敬いの心で接してもらいたい
etc……まさにジニスの願望そのものと言えるだろう。
しかしダイヤモンドの元となる炭素自体はごくごくありふれた元素であり、ある意味ではメーバという最下級の存在から成り上がったジニスにも通ずるものである。

またナリア、アザルド、クバル、そしてジャグドの四幹部も鉱物がモチーフであり、
上記の通りジャグド以外の3人はジニス自らが切り捨てた……つまり、パワーストーン=お守りを捨てた結果自身も破滅したと考えると、なかなかに皮肉が利いてるのではないだろうか。

担当声優の井上和彦氏はジニス役でスーパー戦隊シリーズ初出演となるが、
東映の特撮作品自体には出演経験があり、『人造人間ハカイダー』でミカエルを演じた。

ジニス以降のラスボスは現状等身大で決着が着いており、ジニスは平成最後のロボとの戦いで倒された戦隊ラスボスとなった。


ジワジワ甚振って弄ぶ……

ククク、これが追記・修正の醍醐味だ!!


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最終更新:2024年12月12日 10:35

*1 クバルの母星もその快楽という名の殺戮の犠牲になった惑星の一つである

*2 作中において、偶然居合わせた猫がバリアに触れて消滅している。

*3 正確に言うと、この時のザ・ワールドはジニスが複製した偽者

*4 真の姿復活後にただでさえ横柄だった態度がさらに横柄になっていたアザルドですら「自分を救出してくれた事」に関しては感謝の意を示しており、対等な勝負=「少なくとも対等の対決をするだけの仲間意識はある」と言う事である