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仮面ライダーストロンガー

登録日:2009/10/18(日) 21:25:28
更新日:2024/10/21 Mon 18:14:21
所要時間:約 7 分で読めます





天が呼ぶ!地が呼ぶ!人が呼ぶ!
悪を倒せと俺を呼ぶ!
聞けぇ!悪人共ぉ!
俺は正義の戦士・仮面ライダーストロンガー!


出典:仮面ライダーストロンガー/東映/1975年4月5日~12月27日放送


仮面ライダーストロンガーとは、1975年4月5日から同年12月27日まで放送された東映製作の特撮テレビドラマである。


目次


概要

仮面ライダー」シリーズ第5作で、第1期仮面ライダーシリーズ最終作である。
平山亨プロデューサーは「5人の仮面ライダーが活躍する」という案を毎日放送側に提示したが、毎日放送編成局映画部長の庄野至から「ヒーローは1人であるべき」と反対され、これまで同様の単独作品となった。
没となった「5人ライダー」の企画案はそのまま後の『秘密戦隊ゴレンジャー』という形で活かされ、更に42年後の『仮面戦隊ゴライダー』の原型にもなった。

企画は前作『仮面ライダーアマゾン』の放送が始まった直後からスタート*1しており、仮面ライダーの原点回帰を掲げていた『アマゾン』に対し、
バディドラマや西部劇的なロードムービーを志向したストーリーや、メカニック要素の強いライダーの設定など、挑戦的な要素が多数盛り込まれている。
これらの要素は、平山氏が子供達の求めるヒーロー像を「単純明快、明朗快活』と定義づけた上で決められたものであるという。
また、ライダーの能力に幅を持たせ、そのストレートな強さをより強調することが狙って採用された「電気人間」という設定は演出面でも華やかさを発揮。
火花飛び散るけたたましい変身バンクや、合成による派手なエフェクトがふんだんに盛り込まれたライダーキック等、後の平成ライダーの源流とも取れる要素も散見される。

しかしながら、シリーズにおいて少しずつ見えてきていた視聴率低下の傾向は本作をもってしても歯止めがかからなかった。
毎日放送が夏に向けて展開した番組強化キャンペーンも功を奏さず、結局1975年末での放送終了が決定。
これを受けた毎日放送は「人気があるうちに終わらせるべき」と結論づけ、本作は仮面ライダーの総決算へと舵を切ることとなった。
全員が幹部クラスという前代未聞の設定を持つ強敵デルザー軍団の出現やシリーズ初の強化変身など、当初の路線以上に攻めた試みが盛り込まれ、来るべきシリーズ最終回に向けて物語を大いに盛り上げた。

最終話はなんと藤岡弘、氏を始めとした歴代仮面ライダー役の俳優陣が同役で全員ゲスト出演を果たし、
原作者の石ノ森章太郎氏が山田稔氏と共同で監督を務めるという豪華な布陣となった。
当時の登場した俳優のうち結城丈二/ライダーマン役の山口暁が1986年に亡くなったため、「栄光の7人ライダー」全員が素顔で揃ったのはこれが最初で最後となった。

この最終回とその後の展開についてはこちらも参照。

オイルショックの影響もあり今作を以て仮面ライダーシリーズは一時的に終了し、次のライダーは4年後の『仮面ライダー(新)』となる。

放送体系

本作からはネットワークの腸捻転解消*2に伴って関東地区の放送局がTBSテレビに変更された。
これが縁となって、ストロンガーは当時の人気番組だった『8時だョ!全員集合』にゲスト出演を果たしている。
また、放送時間は『アマゾン』までよりも30分早い土曜の18:00となった。


あらすじ

アマゾンライダーの手によってガランダー帝国が滅び、再び平和が戻ってきたのもつかの間。
新たな悪の秘密結社・ブラックサタンが全人類支配を企んでいた。
敵の秘密を知った友人を殺された大学生・城茂は、自らアジトへと乗り込み、改造手術を受ける。
苦痛に耐えながらも電気人間となった彼は、自己催眠装置により脳改造を免れ、電波人間に改造された岬ユリ子を救出しつつブラックサタンを裏切る。
こうして、仮面ライダーストロンガーとなった茂は、電波人間タックルとなったユリ子と共に、ブラックサタン討伐の旅に出るのだった。
…やがて、ブラックサタンが滅びると、幹部だったジェネラル・シャドウが、故郷である遠い魔の国からデルザー軍団を招集し、茂たちの前に立ちふさがった。


登場人物

【主人公とその仲間】

城茂/仮面ライダーストロンガー 演:荒木しげる
主人公。城南大学三年生で改造当時22歳。
友人の「沼田五郎」を死亡させられた事で*3ブラックサタンを憎んでおり、
自ら改造手術を受け、改造電気人間・仮面ライダーストロンガーへと変身できるようになる。
ニヒルな性格だが、次第に礼儀正しい面を見せるようになっていく。

デルザー軍団との戦いでは苦戦を強いられるようになるが、31話で元ブラックサタンの科学者だった正木洋一郎博士から超電子ダイナモを埋め込まれることにより、超電子人間ストロンガーへの「チャージアップ」が可能となった。

◎岬ユリ子 / 電波人間タックル 演:岡田京子
茂と同じく、ブラックサタンの改造手術を受けていた女性。
負けず嫌いな性格で、茂とはよく口喧嘩している。
「えい!やあ!とぉーっ!」の掛け声でテントウムシ型改造人間の電波人間タックルに変身し、必殺技の「電波投げ」を駆使して戦う。
身体改造手術が不完全なため奇械人相手には苦戦を強いられることも多かったが、ストロンガーのパートナーとして長い間共に戦い続けた。
専用マシンはテントロー。性能自体はカブトローに劣るが、軽量で小回りがきく。

30話でデルザー軍団のドクターケイトの毒液を浴びたことで、余命幾たびもない事を悟ると、
藤兵衛にだけそれを伝え、茂には自ら淹れたコーヒーを振る舞いつつ、「悪い怪人たちがいなくなって、世の中が平和になったら2人でどこか遠い美しいところへ行きたい」と、自らの夢を語った。
その後、現れたドクターケイトに対し、自身の命と引き換えに敵の細胞を破壊する必殺技ウルトラサイクロンを放ち、その直後に死亡する。
茂との関係性について具体的な言及はなかったが「相棒の電波人間タックル」でいる事を選んだかのような最期だった。

シリーズ初の正義側の女性戦士
一部資料では「仮面ライダータックル」とも記述されているが、公式からは今日に至るまで女性ライダーとしては扱われていない。
平山氏によれば「仮面ライダーごっこがしたい」という少女達の意見を踏まえて生み出され、当初は仮面ライダーとなる筈だったが、毎日放送側から「ヒーローは一人であるべき」と反対され、結局没になった。
その後、平山が執筆した小説の中で「仮面ライダー」の一人ではなく、あくまでも城茂のパートナーとして葬りたい」という茂の想いから“仮面ライダー”の称号は与えられなかったと説明された他、
漫画仮面ライダーSPIRITS』では「ユリ子を仮面ライダーではなく普通の女性として弔いたい」と解釈された。
また、初期の構想では死後にストロンガーと藤兵衛による再改造で蘇るという展開も存在したという。

なお、改造前の過去の経歴については、守という兄がいたこと以外は作中において語られることはなかったが、
先述の小説では「フランス・ニース生まれの16歳。父は貿易商で母は登山家。上高地・徳本峠山中で守と共にブラックサタンに拉致された」という設定がある(公式設定かは不明)。

演じていた岡田が一部のアクションもこなしてたが、ストロンガー終了から1年後にわずか17歳で芸能界引退。メイク担当で携わっていたスタッフと結婚し子供も産まれたが、1986年の夏に27歳の若さでこの世を去っている。従ってその後の作品にはそのままの形で再登場が出来なくなっており、別人が演じたりリメイクしたキャラクターが登場している。

◎立花藤兵衛
演:小林昭二
お馴染みおやっさん。
3話から登場し、今回も主人公の協力者として活躍する。
過去作と比べると3枚目的な描写が目立つ。
なお、登場は本作までとなり、『仮面ライダー(新)』以降の作品では小林氏が立花役としての出演を辞退した事を受け、新たに谷源次郎が設定された。

◎6人の仮面ライダー
1号からアマゾンまでの先輩ライダーたち。
デルザー軍団との戦いの中35話から次々に帰国し、参戦した。
この6人にストロンガーを加えた7人は「栄光の7人ライダー」として、数多の仮面ライダーの中でも別格の存在として扱われることが多い。

【ブラックサタン】

◎ブラックサタン大首領 
声:納谷悟朗
文字通り、ブラックサタンの首領。
奇械人やサタン虫を使って人類を支配しようと企んでいる。
これまでの首領と同様に、アジト内で指令を発している。
12話では、タイタンの要請に応じてブラックサタン最強奇械人・クモ奇械人を送り込んだ事もある。
その正体は巨大なサタン虫そのものだった。
テレポーテーションでストロンガーを翻弄するが、最後は電パンチと電キックで倒された。
デザイン画では、巨大なサタン虫が頭部になっているデザインとなっていた。

Mr.タイタン/一つ目タイタン/百目タイタン 
演:浜田晃
戦闘員や奇械人を指揮する、ブラックサタンの初代幹部である改造火の玉人間。
ジェネラル・シャドウやデルザー軍団など大幹部クラスのキャラクターに軒並み人間体が存在しない本作において唯一「謎の紳士」と呼ばれる身なりのいい青年の姿を使い分け暗躍する。
作中の人物からはもっぱら「タイタン」、配下の奇械人からは「Mr.タイタン」「タイタン様」と呼ばれる。
「火の玉スカーフ」やリボルバーの「タイタン破壊銃」といった数々の武器を使用する。
13話で一度はストロンガーに倒されるものの、17話でタイタン呪いの棺の力により百目タイタンとなって復活。
しかし、23話で再び倒される。
詳細は上記項目参照。

ジェネラル・シャドウ 
声:柴田秀勝
14話からタイタンの後任として登場したブラックサタンの2代目幹部。
卑怯な手段を好むタイタンとは違い、正々堂々とした手段を用いる。
作中ではよくトランプで占う場面も見られる。
愛刀であるレイピア「シャドウ剣」を振るい、占いで使うトランプも武器として使用する。
デッドライオン登場後はブラックサタンを見限り、一時姿を消すが…
詳細は上記項目参照。

デッドライオン 
声:辻村真人
24話で初登場したブラックサタンの最高幹部。
右腕のデッドハンドを駆使して闘う。
26話でストロンガーと交戦中に姿を消し、ブラックサタン壊滅後の消息は不明。
詳細は上記項目参照。

奇械人(きっかいじん)
ブラックサタンの改造人間で、名前の通り動植物に機械が合成されたデザインが特徴。
サタン虫に変身して人間の耳から侵入してその人間を操る「奇械人乗り移り」という能力を持つが、12話から使わなくなった。
また、腕が、モーニングスター大砲、回転ノコギリなどの武器に変形する者も多い。
26話では、サタン虫によって奇械人の墓場から、カマキリ奇械人、奇械人ハゲタカン、奇械人ブブンガー、コウモリ奇械人、奇械人デンキエイ、奇械人毒ガマ、奇械人ケムンガが復活しストロンガーと戦った。

◎ブラックサタン戦闘員
ネズミがモチーフで、掛け声は「ニューッ!
基本素手で戦うが、回によっては槍や銛を所持し、さらに昭和戦闘員としては珍しく銃火器(手回し式の機関銃やバズーカ等)の扱いにも長ける。OPでは毎週ストロンガーの磁力でパクられているが
白い頭巾を被り白装束を着用し槍を使う精鋭部隊「死の使い」もいる。
昭和ライダーの恒例としてオートバイに乗るブラックオートバイ部隊も登場し、こちらはOPにおいても姿を見せている。

デルザー軍団

※当該項目も参照。

◎ジェネラル・シャドウ
ブラックサタンを抜けた後、故郷である遠い魔の国からデルザー魔人を呼び寄せていた。
ストロンガーを標的とし、倒したものをデルザー軍団のリーダーにすると宣言する。

鋼鉄参謀
強靭な肉体と怪力を持つ軍団屈指の実力者。

荒ワシ師団長
軍団で最も狡猾な戦略家。
軍団の中では最初に倒された。

ドクターケイト
猛毒を操る魔女で、ユリ子を死に至らしめた張本人。

ドクロ少佐
軍団きっての殺し屋。

岩石男爵
軍団屈指の大馬鹿者。

狼長官
軍団きっての名家の出身。

隊長ブランク
名家出身の狙撃部隊の隊長。軍団屈指の単細胞。

ヘビ女
「魔の国」から呼び寄せられた、ジェネラル・シャドウの腹心。

磁石団長
マシーン大元帥の腹心。
頭部がもろにU字型磁石。

ヨロイ騎士
マシーン大元帥の腹心。
ヨロイ軍団にいそう。

マシーン大元帥
「魔の国」では最も高貴な血統を持つ。
ジェネラル・シャドウから強引に指揮権を奪い取る。

◎デルザー軍団戦闘員
デルザー軍団の各幹部達が従える戦闘員。
黒い全身タイツは共通しているが、指揮を取る怪人ごとに仮面のデザインが変わっており、更に能力や武器は勿論のこと掛け声もそれぞれ異なる芸の細かい連中。
戦闘員にしては戦闘能力の高いものが多く、特に鋼鉄参謀配下の戦闘員はタックルの電波投げも通じない強敵である。

岩石大首領
デルザー軍団の影の支配者。
ショッカーからブラックサタンまでの悪の組織を裏で操っていた張本人。


ワニーダ「な、何故項目が追記・修正されるのだぁぁぁぁぁ!!」
ストロンガー「そんなこと俺が知るか!」

仮面ライダーシリーズ
S04.アマゾン←S05.ストロンガー→S06.スカイライダー

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最終更新:2024年10月21日 18:14
添付ファイル

*1 『アマゾン』の放送は当初から全24話と決まっており、「『アマゾン』の不振を受けて急遽ストロンガーが企画された」というのは誤りである。

*2 資本系列に対して捻れていたネットワーク体系の解消を目的として、1975年3月31日から毎日放送がTBS系列、朝日放送がNET(現・テレビ朝日)系列にネットチェンジしたもの。

*3 ただし沼田五郎の名前は劇中では第2話の会話中でしか出てこない。