登録日:2012/06/02 Sat 01:46:57
更新日:2024/10/01 Tue 14:12:56
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名前の由来はスグルと同様に元プロ野球選手の江川卓の実弟・江川中。
●目次
【データ】
CV:
千葉繁/竹本英史(Ⅱ世)
身長:197㎝
体重:102㎏
スリーサイズ:B129 W76 H93
血液型:O型
超人強度:108万パワー
出身地:キン肉星
年齢:34歳くらい(原作)/43歳くらい(アニメ)
【人物】
初登場は旧シリーズ最終章である『キン肉星王位争奪編』。
王位争奪サバイバルマッチから遡ること25年前、スグルが生まれる前にキン肉星王家の嫡男として徹底した英才教育を受けるが、自由時間はおろか、食事や入浴の時間もろくにない過酷すぎる教育方針に反発し、弱冠9歳にして不良化。
(この時既にムッキムキボディであり、高校に飛び級入学している写真まである。)
当時キン肉王妃はスグルを妊娠していたため、「王位なんぞ今度生まれてくる弟に継がせりゃいいだろ!」と捨て台詞を吐き、家を飛び出す。
しかし、スグルが手違いで地球に捨てられ、周りからバカにされながらも正義超人として必死に頑張っていることを風の便りで知ってから、一時のワガママ心のためにスグルにいらぬ苦労を押し付けてしまったことを反省・後悔するようになる。
少なくとも七人の悪魔超人シリーズの頃から、常に陰ながらスグルの戦いを見守っていた。
それでいて、スグルの秘められた実力を信じ、またスグルが自分に甘えてしまうことを危惧して、敢えて手を出すことはしなかった。
…なお、アニメではスグルとは24歳差というけっこうなオジサン超人として登場している。
つまり、アニメ版のアタルの年齢はカレクックよりちょっと上くらいである。
一説では9歳であんなムキムキなわけねえだろというツッコミがあったためとも言われているが、アタルの実年齢が公表されたのはアニメよりも後。なのでこの指摘は間違いである。
こっちはこっちで逆に不自然な気もしないでもないが…
更に原作ではハイスクールに入学した後に家出と明言されているのであんなムキムキの9歳でハイスクールってなんだよという問題が発生したりする……凄い飛び級とかしたんだよ多分。
アニメの設定年齢もハイスクール、つまり大体10代後半くらいに家出+25年と考えれば妥当な年齢であり、原作の9歳児後付けの方が無理があると言える。
【キン肉星王位争奪編】
しかし、邪悪五神の陰謀で王位争奪戦が開催された際、スグルの火事場のクソ力が封印されてしまう事態が発生。
加えて、長い戦いの中でアイドル超人たちの「友情」が一人では何も出来ず、互いに依存し合うだけの「馴れ合い」にまで堕落しつつある事を危険視したアタルは、ついに自らが表舞台に出る決意を固めた。
手始めに、キン肉星の王位を賭けて戦う運命の王子の一人である
キン肉マン ソルジャーを襲撃。
不意打ち気味とはいえ
単独で残虐チーム全員を瞬殺する。
本物のソルジャーは
1億パワーなのにアタルは勝ったのである。兄やん凄え!
そしてソルジャーマスクを奪ってソルジャーになりきり、王位争奪戦に参加するのであった。
ちなみに入れ替わったタイミングは会津若松城での
フェニックスvs
ビッグボディ戦~ブロッケンらのスカウトの間らしい。
ちょうど残虐チームはシード枠だったので準決勝で
知性チームと対戦することになり、はるばる西ドイツまで行って
ブロッケンJr.、
バッファローマン、
アシュラマン、
ザ・ニンジャをチームメンバーとしてスカウト。
当初ザ・ニンジャ以外はキン肉マンの敵チームになることを拒んでいたが、アタルが悪行超人に人質にされた子供を助ける姿を見て考えを改める。
この一連のエピソードは
もはやツッコミ所だらけで有名である。
が、作者のゆでは「書いてて楽しかった」とのこと。見てる方も面白いけどね。
こうして新残虐チーム、通称《超人血盟軍》が誕生した。
初戦である対知性チームにて、先ずニンジャが
サタンクロスに敗れ、続くアシュラマンがサタンクロスと引き分けた後、アタルはブロッケン・バッファローマンと3人でフェニックス・
マンモスマン・
プリズマンと「6人タッグ・キャプテン・ギブアップ・マッチ」で対戦する。
この戦いの中でブロッケンとバッファローマンが倒れ、フェニックスとの直接対決に突入。
順逆自在の術、超人稲綱落とし、ベルリンの赤い雨、バッファローハンマーなどメンバーのオマージュ技を使ってフェニックスを翻弄するも、超人の未来を記した『超人預言書』をマンモスマンに奪われ燃やされてしまい、存在そのものを歴史から消されることが決まってしまった。
ここで初めて弟・スグルに正体を明かし、モニター越しではあるが両親とも再会。感動の兄弟対面を果たす。スグル自身も本能で兄のことを感づいていたようで、アタルの叱責を素直に聞いたり、アタルがフェニックスにいたぶられるシーンでは悔し涙を流していた。
一時はスグルと両親への罪滅ぼしのためにフェニックスの残虐技「超人牛裂き刑 レイジング・オックス」を受け入れて死のうとするも、父の激励で気力を取り戻し、火事場のクソ力の原型と言われる『業火のクソ力』を発動してアタル版マッスル・スパークをフェニックスへ仕掛ける。
しかし預言書の力には逆らえず、両腕も消滅しかかったところでフェニックスにアタル版マッスル・スパークから逃れられてしまい、逆にマッスル・リベンジャーでコーナーの鉄柱に脳天を叩きつけられ返り討ちに。
アタルは最後の力を振り絞って、
- 正義超人界の平和を守る道に近道はない!穏やかな道とイバラの道の2つがある時は、敢然とイバラの道を進め!
- いかなる戦いであっても自分のために戦うなかれ!戦いは人々を守るためだけに戦え!
- 正義超人から友情を失うことは、この世から太陽を失うも同じ。そんな暗黒の世に、超人界をしてはならぬ!
という『キン肉王家3つの心得』をスグルに授け、同時に完璧なマッスル・スパークの完成を託すも、預言書が燃えつきると同時にスグルの腕の中で消滅してしまった。
……が、この遺灰は超人界の混乱を憂う
謎の男「ザ・サムライ」の手に渡り、その後もキン肉マンチームをたびたび助けるのであった。消滅しても凄え!
アタル本人の魂は幽霊超人となって邪悪大神殿へ向かい、封じられた火事場のクソ力の解放に尽力。
最後はキン肉マンのフェイス・フラッシュで復活し、共にキン肉星に帰っていった。
【完璧超人始祖編】
王位争奪戦が終結した後のストーリーを描いた新シリーズでも登場。
一時はスグルと共にキン肉星に帰郷するも、すぐさま行方を眩ませてしまう。
よってこの章では回想シーンのみの登場だが、アタルが血盟軍に説いた教えはメンバーに受け継がれ各々に強い影響を与えている。
【オメガ・ケンタウリの六鎗客編】
始祖編が終わった後、次シリーズへの箸休めとして週プレNEWSに掲載されたドタバタどつき漫才寸劇で「働かないゆで」こと嶋田先生は、「次やるスグル達の世代のお話で、ソルジャー(アタル)にスポットライトを当てたいと考えている」と語った。
そして、その宣言は程なくして現実となる。
始祖編完結までの間行方知れずとなっていたアタルだったが、実は他の王子と同様、残虐の神から
大魔王サタンと
オメガ・ケンタウリの六鎗客の件を告げられていたのだった。
元々残虐の神はソルジャーマンと手を組む予定だったが、当の本人はアタルに殺されていたため、それができなかった。
そこでソルジャーマン殺害の責任を取らせることを含めてアタルに話を持ち掛けたのである。
アタル自身も事情を聞いてとても看過できないと判断し、またソルジャーマン殺害に責任を感じていたことから引き受けることを決意した。
かつての強敵
ジ・オメガマンの兄にして六鎗客のリーダーである
オメガマン・アリステラとフェニックスとの対決が決着した頃、超人博物館からソルジャーマスクを盗み
4王子に続き兄さん貴方まで…安土城の超人墓場に通じるトンネルを封鎖しつつアリステラ達の前に姿を表す。
アリステラは自分と
マリキータマンvsスグルとアタルによるタッグマッチを提案するも、アタルはスグルの負傷を見抜きこれを却下。
呼び出した残虐の神との融合による一億パワーを改めて拒み、その代わりとしてサタンの結界により各地に封じ込められていた超人の中から元戦友のブロッケンJr.を呼び寄せ、
「フルメタルジャケッツ」を結成しアリステラ達との戦いに挑む。
ちなみにこの時、先んじて敗北したフェニックスとのやり取りの中で彼から事実上の過去の行いに関する謝罪を受けており、(そもそもアタル自身は一連の経過や同じ事情を知っている者として気にも留めていなかっただろうが)和解を果たしている。
戦いはアリステラとマリキータのコンビ「オメガ・グロリアス」優勢のまま動き、さらにアリステラに業火のクソ力を手に入れられてしまう。
だが、アリステラがようやく手に入れたはずの力も何故かアタルの業火のクソ力には通用しない。
アタルはその原因を
- スグルのファイティングスピリットの原動力が「祈り」であるのに対してアリステラのそれは「呪い」
- 「呪い」や「恨み」は火事場のクソ力とは最も相性が悪く、思いが強まるほど力は弱体化していく
と根拠を挙げて断言する。
また、力を使いこなせず次第に焦り出すアリステラに対し、キン肉族に代々受け継がれているクソ力の根源は「慈悲の心」にあり、「呪い」に囚われているうちは力を使いこなせないとも説く。
ブロッケンもかつて
ラーメンマンに復讐することにこだわって真の力を発揮できずにいた自分を引き合いに出して説得を試みるが、アリステラは「一族に長年に渡って受け継がれてきた
ザ・マンへの恨みを捨てては自身らの先祖に顔向けできない」「『呪い』はオメガの『誇り』」とかたくなに受け入れず、戦いを続行。
あくまでも「呪い」の先に道を拓こうとするグロリアスだったが、ここでフルメタルジャケッツは王位争奪編で繰り出せなかったツープラトン「ナパームコンビネゾン」をマリキータに放ち、彼を撃破。
その直後ブロッケンの離脱を受けてアリステラと一騎打ちを行い、アリステラの奥義「Ωハルマゲドンアベンジャー」を業火のクソ力で回避し、最後は不完全ながらも自身が出せる最大の慈悲の技──アタル版マッスル・スパークでアリステラをKO。
作中時間で78分に渡る死闘を制した。
試合後アリステラに見切りをつけ始末しようとした
ゴミ屑の襲撃を受けるも、そこに
ジャスティスマンが参戦。
長時間の試合後で勝利を収めつつも、両陣営共に満身創痍の状態だったこともあってアタルは自らを犠牲にしてでもアリステラを助けようとしていたのだが、
完全に死んだと思われていたマリキータも含めてジャスティスマンがゴミ屑の相手をしている間にアリステラを連れて立方体リングから脱出できた。
ゴミ掃除が片付いた後、自ら聖なる完璧の山に案内してくれると言うジャスティスマンにブロッケン、アリステラと共に同行。スグルとも久々の再会を果たす。
ザ・マンとの謁見は他の王子と同様に邪悪五神から聞かされていた事情が真実だったと確認する結果となり、ここでようやく全ての真相を知ることになったスグルやブロッケン、アリステラ達と共に超人絶滅を目論む“調和の神”ら
天上界の神々に対抗する意思を確認する。
この時に自身にとって大叔父にあたるキン肉サダハルことネメシスと初めて対面し、ネメシスからは「我が兄・タツノリを彷彿とさせる清廉な眼をしている」と言われた。
王位争奪戦が終結した後は宇宙中を旅して周り、その後にザ・ニンジャと超人特別機動警察隊(通称アンタッチャブル)を結成。
宇宙の平和のために活動する。
そして『火事場のクソ力
修練編』にて万太郎に
K・K・Dを習得させるべく超人
評議会に参加、年をとったが渋いアタル叔父さんとして登場した。
ちなみにこの頃には迷彩柄の杖を持っている。
モロボシ・ダンか?
あえてソルジャーマスクを装着しているとのこと。
顎ヒゲがかっこいい。
筋肉が衰えヨボヨボになったスグルとは違い、もう60~70代なのに常に戦いに身を置いていたせいかそのマッスルは衰えず、未だ全盛期のようなハリを見せている。
ちなみにこの頃のアタル兄さんは昔からは想像もできないほどフランクな感じ。これも年の功か?
「おいシシカバ・ブー。お前いつもはめちゃブサイクなのに、今日はいやにハンサムじゃないか」
『究極の超人タッグ編』ではアタルとは明言されていないが、フードの男がアタルと思われる。
正義超人達に味方するが、もう一人のフードの男と間違えられたりした。
【真・友情パワー】
アタルが王位争奪戦への参加を決めたもう一つの理由であり、信念。
どういうものかというと
- あまりベラベラと喋らない
- 時には愛のムチを持って接する(例:味方に鉄柱を投げる、タッチ拒否)
- 例え親しい間柄でも間違いは間違いであると正す(例:だまらんかースグル!)
という感じ。
難しいが、取り敢えず『馴れ合いを捨て、個々の超人が強い自立心を持った上で協調する』事を理想としている。
客観的には厳しいかもだが、実際この時のバッファローマンは、ビッグ・タスクの破壊力に完全にヘタレてしまい、自身の持ち味も活かせず嬲りものにされてる状態だった。
こんな状態で助けたとしても、一人で物事を解決できないダメ超人になってしまうのは火を見るより明らかであったろう。
Web連載以降で見せている、順序立てて行動する無駄の無い態度もアタルの信条に沿った行動だと言われることも。
相変わらず情で動いているスグルとは同じ所を見ていても違いが出ている。
【超人血盟軍】
アタル率いる超人血盟軍は
ロビンマスクやラーメンマンといったポピュラーなキャラでなく、渋いメンバーで構成されているからか人気が高い。
チームの信頼感や連携も高い次元にあり、リーダーとして言えないことをメンバーが代わりに言ったり、試合中のメンバーに指示をするのに椅子を並び変えてサインを出すなど、抜群のチームワークを誇る。
真顔で椅子をガタガタ並び変えるのはちょっとシュール。
あとなぜかメンバーはたいてい口が半開きである。
ゆで的には
- バッファローマン、アシュラマン:人気・実力共に申し分ないが、キン肉マンと同じチームに入れると戦力が過剰になる
- ザ・ニンジャ:悪魔騎士の中ではアシュラマンに次ぐ人気を誇り、加えて忍者なので漫画として面白いファイトが期待できる
- ブロッケンJr.:前シリーズでは完璧超人の踏み台にしちゃったし、まだやれるぞ!というところを見せてあげたい
という意図から、このメンバーチョイスになったという。
【最強の超人】
『キン肉マン』の作中でアタルは最強の超人の一人という意見がある。
- 1億パワーの真ソルジャーを含む5人を一人で全滅させる
- 預言書がなければフェニックスに勝っていた
- 同じく作中最高峰の実力を持つマンモスマンですらアタルには手も足も出ず、完封に近い状況だった
などが理由である。
戦闘描写がそう多い訳ではないが、作中最強格であることは間違いないだろう。
スパルタ大王教育が嫌になって家出したアタルだが、その血の滲むような努力は着実に彼の血となり肉となっていたのだ。
Web連載以降は、
完璧超人始祖のような規格外の存在まで明らかになったことで“1億パワー”のインパクトが未だに根付いている運命の王子や超人強度のインフレが進んでいたその配下すら霞んでしまった感があるが、復活後もフェニックスを破ったアリステラを破る等、現世代の超人達の中でも間違いなく最強の一人と推せる活躍を見せている。
【なんという冷静で的確な判断力なんだ…】
アタル・ソルジャーを語る上で欠かせないのが、前述したチーム集めのエピソードである。
単行本26巻収録「ソルジャー登場の巻」「準決勝開始!!の巻」がそれ。
謎の屋敷に集めたブロッケン、バッファ、アシュラ、ニンジャをチームにスカウトするも断られ、その場を後にするソルジャー(アタル)。
4人はそんなソルジャーを尾行し、彼がどういう超人かを見極めようとする。
その頃、ベルリンの片隅では刀を持った強盗が子供を人質にして立てこもり、「金もってこい、食い物もってこい!」とおおざっぱな要求を出して人々を困惑させていた。
我慢ならず強盗を退治しようとするブロッケン、するとそこにソルジャーが現れ「強盗を刺激すると人質が危ない」とブロッケンを諫める。
この冷静で的確な一言に「まず人質のことを心配するとは優しいやつ…」と、当たり前すぎる事に気づく一同。というかそれだけが重要だろう。
ではどうすればいいというのか。このままではいたずらに時間を費やすばかりだ……。
そんな周りの疑問をよそに、ソルジャーは冷静で的確な判断で自らのコスチュームを破き、近くにいた塗装工から拝借した黒いペンキに浸し始めた。
するとあら不思議、生地面積が大きくなって牧師様の服に変化した。牧師に変装したソルジャーは、マスクを着用したまま強盗に近付いて行く。
普通の超人なら強盗を刺激してしまうかもしれないが、神の使いである牧師なら強盗も気を許すだろうという冷静で的確な判断に、思わず感嘆するブロッケン達。
結局、ソルジャーの変装は迷彩柄のマスク……ではなく牧師にしては不自然なほど筋肉モリモリマッチョマンなのを根拠に見破られ、ピンチに陥る。
しかし一進一退の大攻防戦の末に、冷静で的確な判断でナパームストレッチを決め、強盗を撃退した。
その後、泣いて感謝を述べる親子に対し、恩を売るでも勝ち誇るでもなく「私はああいう卑劣な奴が許せなかっただけさ……」と言って立ち去るソルジャー。
これら一連の冷静で的確な行動を見て、ソルジャーが命を預けるに値するほどの漢であると確信した4人は超人血盟軍入りを決めるのであった。
あまりにもツッコミ所が多いが、ブロッケン達はこれを口半開きで見ながらとても感動したのだから不思議だ。
一応フォローすれば、超人にとってリングコスチュームは命であり、それを自ら破りペンキで真っ黒に染めるなどということはとんでもないことらしい。
見ず知らずの人命救助のため、躊躇わずそれを為したことが彼らの心を動かしたのだろう。
なお、その時アタルが着てたユニフォームは、マスク同様に本物のソルジャーから奪ったものと思われる。
このエピソードは、映画監督の黒澤明が『
七人の侍』で描いたもののオマージュ。
さらにさかのぼれば、戦国時代の剣豪・上泉信綱に行き当たる。
後にアシュラマンメインの読切扱いでこれとは別に超人血盟軍結成の話を描いている。
こちらは最終的にアタルとアシュラマンがベルリンの壁でリアルファイトを始める程度でかなり常識的な内容。
傑作短編集2011-2014に収録されているので興味があればぜひ。
キン肉マン連載40周年記念のストップムービーでも「なんという冷静で的確な判断力の超人なんだ…」のシーンが採用。
他の部分がわりとシリアスなシーンが多めなため、「思わず笑ってしまった」「急にギャグシーンを入れるな」「ギャグとシリアスの落差が凄い」などという反応が多い。
【必殺技】
アタルの代名詞とも言える技。
空中で相手を釣鐘固めに捕らえ、回転しながら上昇、その後急降下し相手をキャンバスに叩きつける。
この際に空気との摩擦により胸に「A」の形の傷ができる(アニメだと×型)。
劇中では本物のソルジャー及び残虐チーム、フェニックス、アリステラ、前述の強盗に使用。
ちなみに名前の由来は森を一瞬で薙ぎ払うナパーム弾並の威力があるかららしい。
事実その威力・完成度共に凄まじく、自身よりも桁外れな超人強度を持つ相手でも技を解くのは容易でない。
劇中で正面から技を破られたことはなく、フェニックスは預言者を利用したマンモスマンのサポートによって技から逃れ、アリステラは固められたオメガハンドの指を2本犠牲にすることで何とか技から脱出した。
フェニックス戦終盤で初使用。
未完成スグル版マッスル・スパークをかけた後、相手の両手を取りブリッジの態勢のまま落下する。
マッスル・スパークの後半部分であり、前半部分であるスグル版マッスル・スパークと合わせることにより真のマッスル・スパークが完成する。
ちなみに初登場時は不完全とはいえ未完成スグル版と組み合わせていたためアタル版の時点で半分どころか9割方完成してるんじゃないかとファンからよく言われる。
アリステラとの闘いでは「慈悲の心を以て」終止符を打つために使用。
技を仕掛ける際のムーブが中空で逆さ向きのドロップキックを連発して相手を上空まで蹴り飛ばし、さらにホールドした後に技が不完全なのを補うためか
高速回転しながらリングに突撃するという、本当に
慈悲の技なのかと疑いたくなるようなアレンジを施されている。
また初登場時の未完成スグル版マッスル・スパークにあたる「天」の部分は使用せずに完全に「地」の部分のみで構成されている。
(このため従来のファンの指摘されていた通り「ほぼ完成」じゃなくて「半分だけ完成した」マッスル・スパークになっている)
本来のマッスル・スパークと比べると半分だけの不完全な技ではあるが、自ら不完全版と称しつつもキン肉王族の最高奥義に相応しい威力を獲得するためのアタルなりの更なる進化であったのだろうし、何よりも前章にて真の創始者である完璧超人始祖にしてキン肉族開祖である
シルバーマンが認めた、完璧マッスル・スパークの
“命を奪わずに敗北を認めさせ、戦意を鎮める「究極の峰打ち」たる境地”には充分に到達しており、アリステラの先祖から受け継いだ憎悪と妄執=「オメガの希望」を祓った上でKOした。
ちなみにスグルVSネメシス戦にてスグル版が実況から「天」の名称で呼ばれていたが、こちらはアタル版のままである
むしろ「天」を知っていた実況が何者なんだ。
マンモスマンが投げつけようとしたリングの鉄柱を溶かした。
この技が使えるという事がソルジャーが正当なキン肉族の後継者ではないかという疑惑が核心となるきっかけとなった。
火事場のクソ力の原型で体中から本当の炎を発する。本人曰く「キン肉族としての特殊な力」。
フェニックス戦では自分の身を縛るロープを焼き払ってレイジング・オックスから脱出した。
アニメ版だと「元祖 火事場のクソ力」と子供向けに分かりやすい名称になっている。
キン肉族伝統の絶対防御の構え。
アリステラとマリキータのツープラトンすらはね除けてみせた。
ドラゴンスープレックスの態勢のまま前転の要領で移動する。三人タッグではBリングからAリングの移動に使った。
読切「超人血盟軍、結成秘話」で技名が判明。読切の際はアシュラマン相手にベルリンの監視塔を用いて縦ではなく横に移動するという離れ業をやってのけた。
その後アリステラ戦でも使用。
所謂
サソリ固め。
こっちの技名で呼ばれる辺りが如何にも現代風。
タッグ戦にてマリキータマンを絞り上げ、アリステラを挑発するのにも使用。
アリステラとの正面からの力比べの流れの中で使用。
立った状態で相手の腕を交差させて自分の腕で抱え込むようにして絞り上げ、関節を極めたまま背後にスープレックスで投げる。
実戦では使われていないが前田日明の12種類のスープレックスの一つ“ダブルアーム・ロック・サルト”が同じ技で、投げる際の型も含めて元ネタで間違いないと思われる。
アリステラ戦で使用。ブリッジの体勢から、前を向いている相手の両手両足を押し付けて締め上げる。
こちらもアリステラ戦で使用。相手の放ったビッグブーツを両手で受け止めて、スープレックスで投げる。
タッグ戦におけるツープラトンその1。
二人がかりでドロップキックを仕掛ける。
タッグ戦におけるツープラトンその2。
アタルが上下逆にした相手の腕をクロスした状態で飛び上がり、同じく飛び上がったブロッケンJr.が相手の両足裏に着地し、二人分の体重を乗せて相手の脳天を地面に激突させる。
二人がかりで行うメガトン・キング落としのような技。
タッグ戦におけるツープラトンその3にして、ブロッケンJr.と組んだフルメタルジャケッツにおけるフィニッシュホールド。
ナパームストレッチの強化版であり、アタル曰く「フルメタルジャケッツの至高のツープラトン」。
個人のホールドとしても一級品であるナパームストレッチだが、実は二人がかりでかけることでなお威力が上昇するという進化の余地を残していた。
かつて出せなかったソレを今ここで、という言い方から知性チーム戦の時点ですでに完成していたツープラトンである事がわかる。
相手の四肢をロックしたソルジャーの両脚を相手の下側からブロッケンが手で固定、さらにブロッケンが相手の背中側に両足を差し入れて踏ん張ることで、相手の両腕への締め上げがきつくなるという構造。
通常はAの一字が相手の胸に刻まれるが、この技では「AB」の文字が浮かぶ。
この状態から水車の如く激しくスピンをかけながら落ちる技であり、かけられた相手は激しい回転で平衡感覚を失い抵抗できなくされ、しかも余った相手側の1人が妨害しようと割り込んでも車にはねられたように弾き飛ばされるため「カットが不可能」という反則的な特性を持つ。
極めつけは落下先がキャンバスでなく、キン肉マン世界でも屈指の強固さを誇るコーナーポストの鉄柱という殺意の高さ。
この技をくらった側は受け身を取れないまま四肢を締め上げられ、都合3人分の重みを加えられて心臓から鉄柱に叩きつけられる。
シルバーマンの再来かと思われるほどの容赦のない殺人技である。
【余談】
- 当初はソルジャーは他の王子達と同じく捨てキャラのつもりだったが、ゆでが迷彩コスチュームを気に入ったため重要キャラになった。
- ゆで曰く、王位争奪編を開始するにあたり、「運命の王子が全員悪党ばっかりってのもなんだし、スグルにも勝るとも劣らない王としてのカリスマと強さを持つ超人が欲しい」と考え、その条件にちょうどよさそうなのがソルジャーだったという。
- また、「あのキン肉マンに兄がいた!?」という展開をやったら面白くなるんじゃないかと思いついたため、この二つのアイデアを合体させて現在のアタルのキャラが完成したとの事である。
- 前述の強盗は作中最強クラスのアタルと「一進一退の大攻防戦」を繰り広げたことにより、「正体ははぐれ完璧超人『THE・強盗』ではないか」とか言われてきたが、モバイル小説『ディープオブマッスル!!』にてボックマンという名前が付けられた。母親と共に自由を求め東ドイツから西ドイツへ亡命したものの、貧困に苦しみ自暴自棄になり犯罪に走ったと言う背景が書かれた。
- 一連の事件の後、アタルの説得を受けて改心し、まじめに働くようになったという。
- ボックマンという名前は、往年のプロレスファンにはアントニオ猪木を絶望的な状況の中で敗北に追い込んだ伝説的な強豪として記憶されている欧州のレスラーであるローラン・ボックから来ていることは間違いない。意外な強豪ぷりも納得かも?
- 「キン肉アタル」としてのマスクは現在に至るまで全く登場しないため、どのようなものかは一切不明である。
- 渋い立ち振る舞いとは裏腹に、家を出た後も両親のことは「パパ」「ママ」と呼んでいる。
- ゲームやフィギュアでも「ソルジャー=アタル」が基本であり、本物のソルジャーは一切顧みられない。
追記・修正せんかーWiki籠り!
最終更新:2024年10月01日 14:12